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墓場への切符 (二見文庫 ブ 1-7 ザ・ミステリ・コレクション)

墓場への切符 (二見文庫 ブ 1-7 ザ・ミステリ・コレクション)

墓場への切符 (二見文庫 ブ 1-7 ザ・ミステリ・コレクション)

作家
ローレンス・ブロック
Lawrence Block
田口俊樹
出版社
二見書房
発売日
1995-10-01
ISBN
9784576951812
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墓場への切符 (二見文庫 ブ 1-7 ザ・ミステリ・コレクション) / 感想・レビュー

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セウテス

【マット・スカダー】シリーズ第8弾。今回犯人は、女性を殺すのが好きなサイコパスの男モットリーと解っている。スカダーが以前逮捕した男であり、出所後にスカダーに関係ある女性を殺害し始める。問題は、この男が弁護士を通しスカダーに接近禁止を要請したり、警察官を辞め許可証のない探偵である事の社会的不利が、断固として在る事だ。前科者が立ち直ろうとすると不誠実な壁が立ち塞がるのに、こうしたサイコパスが法律を盾に犯罪を続けられる矛盾に怒りを覚える。下手に逮捕するより、射殺してしまう方が最良だという現実に無力感が残る。

2020/04/30

遥かなる想い

アル中探偵マット・スカダーが 活躍する本書の魅力は,モットリーという怪物の存在感にある。次々と暴行・殺人を繰り返していくその存在感は単純な物語りに緊迫感を与えている。ハードボイルドは時として退屈になりがちですが、モットリーという怪物の卓越した描写により、本書をすぐれたハードボイルドに仕上げていると思う。 (1993年 このミス海外 第2位)

Tetchy

平穏と云う水面に石を投げ込んでさざ波を起こすのが物語の常であり、その役割はマットが果たしていた。しかし本書ではさざ波を起こすのがモットリーと云う敵であり、忌まわしい過去を掘り起こされるのがマットであるという逆転の構図を見せる。マットは自分に関わった女性を全て殺害するというモットリーの毒牙から関係者を守るために否応なく過去と対峙せざるを得なくなる。そんなスリル溢れる物語なのにシリーズの持ち味である叙情性が損なわれないのだから畏れ入る。困難に立ち向かい、己の信念と正義を貫いたマットの活躍に今後も目が離せない。

2015/04/20

ずっきん

マット・スカダーシリーズ8、倒錯三部作-1。これまでのミステリーから一転、狂気の犯罪者モットリーと競り合うスリラー仕立てになっている。漂うムードはそのままに、太くうねるストーリーが凄い勢いで流れていく。うわ、こうきたか!とヒリヒリしながらページを捲る手が止まらない。余韻にも溺れたところで毎回言うけど、スカダー最高!ミッキーが何故そこまで気に入ったのかと考えていたけれど、こんな歩くリリカル&ハードボイルド、誰でも惚れるわ! そして解説で何気に4作先のネタバレされたのが今はとても悲しい(*T^T)

2018/06/11

みやび

刑務所に入れたサイコパスが、12年後に復讐しにきた話。無免許探偵マット・スカダーは昔なじみの高給娼婦エレインを守るため調査を始める。アル中だったマットが今では禁酒の集会に通い仲間に不安を打ち明けてだいぶ心を開いているのだけど、容姿の描写があまりないせいか、私の思い描くマットはスーツ姿で顔の部分が影になっている虚ろな人物像です。それでも社会の底辺を格調高く感じさせてくれるシリーズだと思います。8作目ですが登場人物たちとのやり取りなども一番良かった。あと、一番怖かった!

2022/09/17

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