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倒錯の舞踏 (二見文庫 ブ 1-9 ザ・ミステリ・コレクション)

倒錯の舞踏 (二見文庫 ブ 1-9 ザ・ミステリ・コレクション)

倒錯の舞踏 (二見文庫 ブ 1-9 ザ・ミステリ・コレクション)

作家
ローレンス・ブロック
Lawrence Block
田口俊樹
出版社
二見書房
発売日
1999-05-01
ISBN
9784576990712
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倒錯の舞踏 (二見文庫 ブ 1-9 ザ・ミステリ・コレクション) / 感想・レビュー

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セウテス

【マット・スカダーシリーズ】第9弾。前作「墓場への切符」と本作、次の「獣たちの墓」を〔倒錯三部作〕という。強盗に襲われた一組の夫婦、妻は殺され夫は殴られ気絶しただけで助かる。妹の死に疑問を抱く兄の依頼で、調査を開始するスカダーだったが、真実を前に正しい規則では裁けない悪に対峙する事になる。アルコール依存により、その弱さの悲哀感が特徴であったスカダーだが、その依存から立ち直りつつある。代わって中々存在感のある仲間が、新しく何人か登場しシリーズの魅力を引き継いでいる。何と、情緒的なハードボイルドなのだろうか。

2022/01/28

Tetchy

過去に見たスナッフ・フィルムが今マットが依頼された事件と交錯し、意外な像を描く。そして彼の眼の前に明確な敵が現れ、マットはそれと対峙していく。しかしなんとも息苦しい世の中になったものだ。人々が安心して暮らしていけるように整備された法がいつしかそれぞれの正しいことを成すために障壁となっている、この社会の矛盾。この認めざるを得ない暗鬱な現実が己の正義を貫こうとするマットに一線を超えさせる。ブロックは読者の心の奥底に冷たい恐怖を植え付けていくこんな世界を叙情的で淡々とした筆致で描いているのだから全く以て脱帽だ。

2015/06/18

みやび

少年を狙い快楽殺人を繰り返す夫婦をなんとか立件したいスカダー。ビデオはあるのに証拠にならないなんて、ダーキン刑事の落ち込みぶりも哀れでした。ニューヨークの無免許探偵、高級娼婦、元ヒモ、肉屋(表の顔)、断酒会の仲間と、都会の陰日向を行来しながら生きる人々を「ブレずにカッコいいな~」なんて思いながらも、結婚について語り合うスカダーとエレインの脆さが印象に残っています。ラストのミサでの聖餅は胸を打つものがありました。9作目かな?とてもとても良かったです。

2024/01/13

びぃごろ

【マットスカダーシリーズ⑨】わぉ( ゚Д゚) AAに通い禁酒を続けるマットがミック(肉屋のエプロン)とレイ(似顔絵の名手)にTJ(黒人の少年)を加えて必殺仕事人に!前作『墓場への切符』と次作『獣たちの墓』を合わせてこれが<倒錯三部作>と呼ばれている特別な作品というのも頷ける。確かに前回からハードな内容だもの… 依頼された妻殺しの確証を探る中で、別の怪しい人物に目がいくマット。ボクシング会場にいた親子風の男は、レンタルビデオに上書きされた猟奇殺人に関わった人物じゃないのか。依頼案件よりそちらを調べていくとー

2023/04/12

ネムル

二つの事件のまとめ方が強引でプロットにやや難ありとも思えるが、やはり傑作だろうな。しかしまた、正義をめぐる法と因果、動機づけをまた一歩進めた、というか隘路に追い込んでしまったようにも。前作『墓場への切符』と並べて読むことで、落ち着いて読むことが出来ない。

2022/04/21

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