ぼくは
ぼくは / 感想・レビュー
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
芥川賞の藤野可織さんの絵本デビュー作品。絵は高畠純さん。食べたり、見たり、聞いたりなど体験したことが自分のものになる、培われていく。そう考えると体験する事は感性にも繋がっていくのだろう。奥深い本でした。
2019/12/16
上品過ぎて僧侶のような寺
遠くからこの表紙を見て、一瞬、和田誠の本かと思ってしまった。近くば寄って目にも見れば別人の絵だとわかる。食物を食べる事が、その魂を貰う事だと解る良い絵本。文章は牛乳やパンや林檎の独白である。「きみはぼくがすき、ぼくもきみがすき」というフレーズが韻を踏む。食べられる事で血肉になり、きみの中にいる事。ラストは食べ物ではなく本。少年に愛読されながら、猫のいたずらでボロボロになる。しかし本はきみの中にいる。本の内容も読んだ人の中で生きているのだ。内容を血肉にできる読書を長らくしてない自分を反省。
2015/07/19
べるめーる
図書館で娘が選んだ絵本。よく見ずに借りたけど、芥川賞作家の藤野さんの作!著作は怖そう…と尻込みしていて未読ですが、絵本も出版されてたんですね。この絵本は、「ぼくは牛乳、パン、切られたリンゴ、破れた本。食べられたら、切られたら、存在がなくなる??いや、きみのなかに、ちゃんといる」…というけっこう哲学的な内容。シンプルなのに深くてハッとする。高畠さんの少しとぼけた絵がユーモラスで効果的。帯にあった藤野さんと高畠さんのコメントも良かった。娘がどんなふうに理解しているのかはわからないけど、この本好きみたい。
2014/01/23
tomi
意外な作家の絵本(絵は高畠純)。「ぼく」は表紙の男の子ではなく、男の子に食べられる牛乳やパンやりんご。食べられて「ぼくがいなくなっちゃう」と怯えるけど「あれ?ぼくはいる。きみのなかにいる」。そして読んだ絵本も… シンプルだけど結構哲学的な絵本。
2015/08/07
anne@灯れ松明の火
遠い方の新刊棚で、高畠さんの絵とシンプルなタイトルに惹かれて。藤野さん、どこかで聞いたようなと思いながら、読メチェックしたら、芥川賞作家さんだった^^; そのせいかはわからないが、前半の「ぼくはいる。きみのなかにいる。」という単純そうな言葉にも深みを感じるし、途中からの予想外の展開は哲学的だった気がする。今、内容を紹介を見てきたら、「4才~」とあったが、もう少し大きくないとわからないんじゃないかな。いや、せっかく絵本なのだから、あまり難しく考えなくてもいいのかな。
2014/04/23
感想・レビューをもっと見る