ペンタとニック (文研じゅべにーる)
ペンタとニック (文研じゅべにーる) / 感想・レビュー
☆よいこ
児童書。関西弁。健太(けんた)は小さい頃に自分を「ペンタ」と言ったので両親からペンタと呼ばれている。ギターの音階の名前の『ペンタトニック』から、飼い猫は「ニック」と名付けられた。ママが切迫早産になりそうで入院し、猫のニックが行方不明になってしまう。健太は車椅子にのった同級生の平野さんに、迷い猫ポスターを作ってもらう▽妊娠中の母を気づかい、ニックの心配をする健太の頭の中に不思議な声が語りかける▽6年生最後の運動会のリレーを走りたいという平野さんの夢を、健太が手助けする▽車椅子全力疾走こけんでよかったぁ
2023/06/27
はる
飼いネコのニックがいなくなった。必死に探すペンタだが、なかなか見つからない。そんなペンタを助けてくれたのは、車いすに乗っているクラスメイトの平野さん。ある日、ペンタに不思議な声が聞こえるようになる…。運動会でみんなと一緒に走りたいという平野さんの夢のために頑張るペンタ。ニックの行方が気になる一方、ペンタと平野さんの友情物語として爽やかです。
2023/05/17
ぶんこ
小6になろうとする春休みに、飼い猫のニックが行方不明に。迷い猫ポスター作成を手伝ってくれた同級生の平野さんと、喘息持ちの歩君との友情と、お母さんがつわりで入院した日々が描かれていました。感動したのが、お父さんとペンタが妊娠したお母さんの負担を軽くするように奮闘するところ。お父さんのお父さんである祖父は頑固なワンマンという感じなのに、お父さんはお母さん(祖母)似なのかな。こんな家庭で育つ男の子も、将来良いお父さんになることでしょう。ニックジュニアと、生まれてきた弟陸との生活も読んでみたいな。
2023/07/17
遠い日
幼い頃自分の名前を「健太」と言えなくて「ペンタ」と言ったことから家族間ではペンタと呼ばれる健太。飼い猫のニック探しから始まるお話。「ペンタトニック」の表記にすればギターのスケールだという。物語の通奏低音として作者の願いも感じられる。妊娠中の母の不調と入院。運動会のリレーで、車椅子ユーザーの平野さんの「風をきって走りたい」という願い。健太の奮闘が始まる。頭の中で聞こえる声と会話しながら、健太は自分の足で日々を生き切る。子どもたちの会話がすばらしい。生まれて、生きることはそれだけで奇跡なんだなと感じました。
2023/06/25
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