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常用字解 第二版

常用字解 第二版

常用字解 第二版

作家
白川静
出版社
平凡社
発売日
2012-10-27
ISBN
9784582128109
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常用字解 第二版 / 感想・レビュー

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あべっち

なに引いてもだいたい呪術が出てくるので便利。組版もゆったりしててよみやすい。朝礼とかで「えー広辞苑によるとそもそも○○とは……」とか話しはじめる校長先生とかいるけど、「えー常用字解によると……」って語ったらおもしろいとおもう。「えー本日は卒業式ですが、そもそも卒とは死者の衣のひもを結んでとじて、霊の出入を禁ずることが起源となっておりまして、ついに終わってしまったということ、死んでしまったということになります」とか、いいんじゃないかな。

2014/02/14

roughfractus02

生涯に渡って漢字教育に異を唱えた著者は、従来の部首索引を廃して五十音順に並べ直し、常用漢字の範囲内で個々の漢字の意味を書き換えて、漢字教育の最中にある小中高生の読者に、画から漢字の意味を読み解く。本書には、中国からの借り物意識の名残がある部首分類と音声中心主義の立場で漢字を簡略化する戦後教育に対し、古代人の格闘の末この国の字となった漢字を国字として扱う著者の強い意志が窺える。「進」はめぐるという意の「⻌」と鳥の形の「隹」の形成だが、鳥占いで進む意を含む。自然と切り離されると人は自分で進むと思うようになる。

2021/01/10

nocturne2015

普段使っているのに、分からない漢字の意味を調べるのによい。特にその字の意味を聞かれて答えられない時は、この辞書は最適。北京語のピンインは載っていない。ささっと調べたい時に音読みでページをめくっていくので、その字にたどり着けないことも。漢字の成立ち字典と思った方がよい。

2017/04/08

猫柳

ルーツを辿ることは好奇心であり、愛であり、また誇りを持つことにも繋がる。簡略化は人の生活を便利にする反面、真実や気づきとは正反対に位置することを知る。昔の甲骨や金文の文字などの美しさを感じ、また各漢字の成り立ちを知ることで自分の名前や自分が好きな漢字に誇りを持つことができるのではないか。自分を1文字で表したら何か、そしてその漢字はどのような意味を持つのか。調べ始めると時間がいくらあっても足りない。これは面白い。

2023/09/22

裏竹秋

私は当初この字書をかんちがひしてゐて、丸谷よろしくヨイショしてゐた。しかし白川静の字源は呪術に偏りすぎて、しかも根拠に乏しく、かつ音素を無視してゐるものも少くない。白川は学界の異端学者であり、鵜吞みにするものではない。読み物としてはおもしろいかもしれないが、信憑性を欠いてゐる。

2021/12/01

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