字訓
字訓 / 感想・レビュー
roughfractus02
起源は神が与えたものでも自然発生したものでもない。そこには諸力が交錯する外部との交通がある。起源はその結果である。漢語と和語のせめぎ合いから生まれた「訓」には、漢字を単に受容して類似する語と語を対応させるだけでは説明のつかないものが多い。著者はそのような事態を、古代人の生活や自然への態度と外部との接触において説明する(例「歌」)。本書は『万葉集』『古事記』『日本書紀』に、他者の文字の異質さに対峙し「国語」を作る人々の試行錯誤の痕跡を見、古代文化の背景を、関係から一語一語前景化させようとする古語辞典である。
2021/01/08
Windseeker
辞書なので「読んだ」という表現は当たらないが、愛用している一冊。一種の古語辞典だけど、取り上げられている言葉は、奈良期までの文献に登場した和語1,800語余に絞られている。上代日本において漢字と和語が出会って「訓読み」が生まれる現場に焦点が当てられているのが最大の特徴。解説が丁寧なので、ついつい読み耽ってしまう。巻末には漢字索引のほか、万葉索引(万葉集は4,500余首中、約2,500首が引かれている)もつけられている。
テキィ
訓読ということで、平易なひらがなと訓読が多彩に記載されていた。
2009/06/21
Bret
いつも大変お世話になっています。
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