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掠奪美術館

掠奪美術館

掠奪美術館

作家
佐藤亜紀
出版社
平凡社
発売日
1995-06-25
ISBN
9784582286083
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掠奪美術館 / 感想・レビュー

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ふるい

"どうしたって独り占めしなければならない絵もある。" 取り上げられる絵画も絶品、もちろん文章も絶品という贅沢な本。以下、メモ。ティエポロ「アントニウスとクレオパトラの出会い」…ああ、金と暇さえあれば、今すぐにでもこれを見にヴェネツィアに行きたい。映画「ロイヤルフラッシュ」も気になる。ロット「書斎の男」…男も女も、底なしのナルシシズムに陥らない人間なぞいるものか。『ボマルツォ公の回想』、要チェック。メーヘレン「楽器を弾く女」…恥ずかしながら知らなくて、ふつうに一番気に入ってしまった。部屋に飾りたい。

2019/04/03

白義

絵画を語ること、知に従属させることへの抵抗と絵画自体の美を享受し愉悦することの奪還が背後にある気がするがそれを綺麗にやった結果絵画自体について語った部分がほとんどなくなっちゃっていてむしろ天晴れな爽快感がある。にも関わらず大蟻食先生、直接絵画に触れずに文章だけで、その絵画の美しさ凄さを、完璧に表現してしまっているのである。思うに、これは大蟻食先生、妄想でこれらの名画を自宅に架けたのではあるまいか。明らかに自宅で寛ぎながら絵画を愛でてる人の目線、文章なのである。強烈な絵画への愛に脱帽もの

2012/06/22

ホレイシア

うっかり忘れていた。著者は西洋美術史学会を追放になった身だそうで、絵を知っていれば必ず笑えるし、知らなくても面白い。

2008/01/01

マサキチ黒

高知県内の図書館、一冊限りの「掠奪美術館」。佐藤さんの怨念と自虐とタブローへの偏愛が、これでもか!とばかりにあふれる素晴らしい作品。発行は前世紀、1995年である。25年前の佐藤さんの魂の叫びが心地よい。「結局のところ、思想なんぞ、出来のいい絵の前では一文の値打ちも持たない。」強奪された美術品のその後を追う、なんて内容ではないので佐藤亜紀依存性の方には是非オススメ致します∬

2020/11/07

okaka

絵そのものとはあまり関係のない話が滔々と続いて一体どうなっちゃうんだろうとハラハラするけど、最後には何となく腑に落ちる形にまとまるのが面白い。こうしてみると芸術作品と人とはあくまで一対一の私的な関係であり、アカデミズムはおまけみたいな物なんだなあと。

2012/05/31

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