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澁澤龍彦幻想美術館

澁澤龍彦幻想美術館

澁澤龍彦幻想美術館

作家
巖谷國士
出版社
平凡社
発売日
2007-04-01
ISBN
9784582286113
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澁澤龍彦幻想美術館 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

この本の存在を知らなかったのだが、古書店の美術コーナーで偶然に邂逅。売価1700円だったが、大いなる拾い物だった。幼少時から亡くなるまでの澁澤龍彦の事跡を、彼が愛した美術を中心に回顧する試み。案内者は入院中だった澁澤に『裸婦の中の裸婦』の執筆継承を依頼された巖谷國士。篠山紀信撮影の澁澤邸の書斎の写真をはじめ、これまで見損ねていた写真や図版も収録されていて大満足の1冊。まさに永久保存版。また、こうして並べてみると、スワーンベリとエルンストとの相通性など、新しい発見(すでに常識なのかもしれないが)もある。

2014/05/31

何から何までツボすぎて嬉し泣きしそうになる(笑)絵画やオブジェを中心とした美術、人形、写真、ポスターなど、澁澤龍彦を形作っているさまざまなものと、彼を物語る世界が一挙に集まったらこうなるのだね。なかなか美術館でもお目にかかれないものもあり、とても貴重な1冊だと思う。没後20年を記念して作られたという本書、澁澤ファンならぜひ一読していただきたい。

2013/05/08

スプーン

氏の奥深さ、幅広さが伝わってくる図録。パラパラと眺める。グロテスクで気味の悪いモチーフも多々ある。この手のモノはつまみ食いするタイプなので、マックス・エルンストと四谷シモンをちょこっと。

2019/05/27

白義

多くの異端の美の紹介者として、批評家として中心的な役割を担ってきた澁澤龍彦の偏愛した美術世界を七つの展示室に収め、その足跡を辿った贅沢な企画。瀧口修造や土方巽などアングラ文化の世界にマニエリスムとシュルレアリスム、博物学など澁澤の魅力的な語り口でここまで語られてきた数々の絵画やアートを一望に眼でも楽しむことが出来るのはありがたい。ベルメール・ハンスや伊藤若冲やルネ・マグリットといった数々の独創的な幻想美術家たちが澁澤龍彦というフィルターで統一感を与えられている感動もある。待ち望まれていた一冊といえるだろう

2016/04/03

片瀬

7年前に展覧会『澁澤龍彦 幻想美術館』が埼玉県立近代美術館等で開かれていたそうで、本書はその展覧会の開催とともに刊行されたもの。監修は仏文学者・巖谷國士。7つの展示室にわたり、テーマ別に澁澤龍彦が好んだ美術作品を紹介。西洋美術史の中にみる綺想的・技巧的なマニエリスム絵画や、「博物的イメージとミニチュアールの要素」と「物体感・虚無感・終末感」を描くシュルレアリスム絵画など、かなり濃厚。具体性を求めるがゆえに、「観念」と「実体」、「確認」と「発見」の間で揺らぐ、澁澤の嗜好もまた侵しがたい芸術作品なのでは。

2014/12/19

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