ぼおるぺん古事記 (一)天の巻
ぼおるぺん古事記 (一)天の巻 / 感想・レビュー
yoshida
冒頭のぼおるぺん古事記第1巻の数ページがまず圧巻。八百万の神がましますので、実に多彩な神々が描かれます。こうの史代氏の画力により暖かく読めます。伊邪那岐命、伊邪那美命のやり取り、天照大御神、建速須佐之男命のやり取りに人間臭さを感じ興味深く読める。古事記を絵物語で読む事により新たな世界が広がる。改めて力作!
2014/12/12
えちぜんや よーた
日本列島(主に西日本)と八百万の神様の誕生物語。おそらくどんなに丁寧に現代語訳してもらっても読まないであろう事務的な内容を、ほのぼのとしたタッチで神話の世界に引き込んでくれた。セリフを口語調ではなく、文語調にしているのは、読者の目を絵の方に引きつけるためなのかな。もっとも、字を読まなくても今につたわる有名なお話(岩戸に隠れた天照大神が出てくるエピソードとかヤマタノオロチの伝説とか)の内容はよごく分かりやすかった。むしろセリフはあえて読まずに、絵だけで読み進めていくのもありかもしれない。
2016/12/15
ムッネニーク
87冊目『ぼおるぺん 古事記 一 天の巻』(こうの史代 著、2012年5月、平凡社) 日本最古の書物『古事記』を漫画化。「天地開闢」から「八俣遠呂智退治」までが描かれている。 ストーリー漫画の形式をとっているものの、本文はセリフも含めてすべて古事記の書き下し文そのまま。そのため、多少は古文の知識がないと読むのに苦労するかも。 「天沼矛」とボールペンの間に”玉が付いている”という共通点を見出し、ボールペンで漫画を書き上げてしまうところが実にこうの史代らしい。 〈爾に高天原動みて 八百万の神共に咲ひき〉
2024/07/05
アキ
池澤夏樹が「作家と楽しむ古典・古事記」で、この手があったかと言っていたマンガ。神話の部分全3巻でその第1巻。古事記は神様がたくさん登場するが、漫画にするとイメージしやすい。同じ作者だから当然だけど、イザナミは「この世界の片隅に」のすずちゃんです。神話も絵にして見ることでわかることもある。イザナキが黄泉の国から逃げる時野ブドウとタケノコで追っ手を惑わすが、鍾乳洞や石筍の連想かも、など所々作者のつぶやきも楽しい。この巻では大国主神まで。でも細かい字で手書きだからちょっと読みにくい。続きの第2巻も読もうと思う。
2019/09/14
鱒子
表紙帯の福々しい丸顔は、天照大神。前髪がポンパドール(笑 こうのさんが描く神さまたち、なんてかわいらしいんでしょう。特にイザナキを待たせている時のイザナミの姿がサイコー(笑 だらしなく寝転んで煎餅を食べつつ、ワイドショーを見ながら足でチャンネルを操作してます。ユーモラスでかわいらしい日本の神さまたちです。
2023/05/29
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