ミカドと世紀末: 王権の論理
ミカドと世紀末: 王権の論理 / 感想・レビュー
hyena_no_papa
古代史と天皇は親和性がいい。近現代史と天皇となると、史料の数も膨大で登場人物も多岐にわたる。よって著者の視点をどこに置くか?で様々な天皇論が成立するのかもしれない。そんな先入観がある故か?読み始めたものの当初は引き込まれる感触は乏しかった。それが天皇崩御と祝祭空間・八瀬童子あたりからふむふむ感が募り、『ゆきゆきて、神軍』に及ぶと脚本を引いての展開にグイグイと引きずられる。とは言え、山口・猪瀬両氏の他書を読んでおいてからのほうが、より理解が進んだかもしれない。機会を見てまずは『ミカドの肖像』を手に取りたい。
2022/12/01
そ吉
昭和末に書かれた本書は、天皇制の在り方が問われる今日において改めて読み返す事で再考の機会となった。 西武グループと皇室の関係を見る事で戦後の皇室の位置づけを考察した前半部分と、ゆきゆきて神軍をモチーフに天皇の戦争責任に展開する後半部分を繋ぐ、八瀬の童子のエピソードにより天皇を記号かしているところが興味深い。
2020/05/14
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