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死: 宮崎学写真集

死: 宮崎学写真集

死: 宮崎学写真集

作家
宮崎学
出版社
平凡社
発売日
1994-11-01
ISBN
9784582529364
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死: 宮崎学写真集 / 感想・レビュー

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keroppi

動物が死に、死臭をたてると、うじがわき、タヌキが喰らい、鳥が巣にするために毛を持ち去る。やがて白骨化し、さらに何も無くなってしまう。そこに死があったことすら分からない森の風景。目をそらしたくなるようなそんな過程をひたすら追う写真。仏教絵画の九相図を思い出す。肉体は滅びても、また他の生物の生命となっていく。ただ、今の人間は、その中には入れない。死んだら焼かれて骨となるだけ。それは幸せなことだろうか。そう思わせる強烈な写真集だった。

2021/01/30

あじ

横たわる動物の死。闇を深める眼窩に、映るものはない。森の住人たちに解体されゆく肉体。すべてが還る、儀式の捧げ物。三体を天上へ送るレクイエム。【購入本】

2018/05/18

skellig@topsy-turvy

自然の中で動物が死んだ後の経過を、ただ静かに見つめ続けた鮮やかな写真集。身体が腐り、他の生き物に食われていくので苦手な方は要注意かもしれませんが、全体的に静謐で穏やかな「死」という現象が映し出されていると思います。季節によって、骨が綺麗に残るかどうか、どんな生き物に多く食われるかも異なってくる。そこにあるのは、この世の時を終え緩やかに解体され、個を越える「何か」に還っていくもの。そしてその帰還を手伝いながら自らの生の力とするものたちのシンプルな緊張関係。

2013/10/03

芍薬

偶然、建物の隙間に死骸を見つけた事があります。人が届かない隙間で出勤路だったために経過を見るはめに。1ヶ月もして雨でも降ってしまったら、ただの黒い染みになってしまった時は何だか安心してしまいました。死なんてそんな大騒ぎするほどの事じゃないんだな。

2013/10/31

霜月

死体にも同じように時間の経過があるんだな。秋、冬、夏と動物の死体の経過を写真に収めた写真集。まず、死のサインがあるということに驚き、そして死がはぐくむものについて順番に教えられる。くさいとかむごいとか関係なしに、ただそこにある死体を必要とするものがあって、それは生への出発点にもなるということ、自然にあるべきサイクルに組み込まれているということを見せてくれた。九相図の動物写真版。

2018/04/18

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