機関銃の社会史
機関銃の社会史 / 感想・レビュー
sendagi1130022
本書の言うように、機関銃は文字通り、機械と銃砲が組み合わさり、戦場の主役をヒトからモノへと転換させたといえよう。一方で、特に19世紀末~20世紀初頭の各国軍隊の用兵思想が全くそれに追いついていなかったことが語られている。人的作為は、それが有形の制度であれ、無形の思考様式であれ、物理的・技術的要素といった物的諸条件の上にしか成立し得ないということを再認識させられる一冊。
2011/01/05
デューク
19世紀半ばに登場した、機関銃。その兵器としての歴史と、社会にどのような影響を与えてきたかをまとめた一冊。 機関銃は当初、「戦争とはかくあるべし」という固定観念から外れるため、欧州では長らく採用されていなかった。そのような固定観念の少ない、若い組織であったアメリカ(南北戦争)や日本(日露戦争)で多く使われていたのは非常に興味深い。新しい技術が社会にどう受け入れられ、社会をどう変えていったかを丹念に追った良著。おすすめ
2016/09/04
スプリント
ガトリング銃やトミーガンなどが如何に発明され広まっていったのかを当時の社会事情とともに書かれています。軍で本格的に採用されるのにかなり時間がかかったことは意外でした。
2014/05/25
まーく
わずか数人の兵士で勇者揃いの一個大隊を阻止することができる機関銃という兵器は産業革命による社会変革を象徴するようなものであったが、軍の中枢を占める貴族階級はその変化について理解することを拒否し、結局WWⅠの泥沼を生み出したという話。日露戦争において日本軍が比較的あっさりと機関銃に適応できたのに関わらず、WWⅠでの英軍や仏軍は数年間無益な突撃を繰り返した理由が分かったような気がする。軍オタ以外にこそおすすめ
2011/12/22
すがし
機関銃こそが人類初の大量殺戮兵器。機関銃の登場をモメント(契機)として戦争は人間ではなく機械のするものとなった。人間に奉仕するべき技術が、逆に人間を支配し、破壊するものともなりうることを示唆した恐るべき一冊。必読。
2009/11/07
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