作家の旅 (コロナ・ブックス)
作家の旅 (コロナ・ブックス) / 感想・レビュー
安南
表紙の寺山修司と船の写真に惹かれて。1970年、劇団の海外公演の旅先から葉書を出そうとしたJ.A.シーザーに寺山曰く「誰も知らないのだから相手をワクワクさせることを書けばいい。嘘を書くのさ。悪戯に嫉妬させるような嘘をね。例えば《今わたしのそばに、あの有名な映画監督がいて、何人目かの愛人女優と一緒にワインを飲みながらキスしている》とか《今夜はムーランルージュのダンサーを知っているという男と酒盛りの予定》とか」なんだか楽しそう。真似したい!他に山頭火から澁澤龍彦まで15人の作家の旅スタイルを写真メインで紹介。
2013/05/15
たまご
15人の文化人たちの旅を,その残された文章や手紙,ノート,スケッチ,写真などで紹介するとともに,おそらく生前近しかった人たちが,文章をつづって思い出を語ります. 日々,旅にして旅を住家とす.日常の地続きの先に,ちょっといつも曲がらない道の先に,旅はあるのかも.そうは思いつつ,知らない町・街を歩いてみたい,なー.
2017/12/03
sasa-kuma
最近旅に行きたい。しかも家族のしがらみとかからも解放されて一人旅。時間的にも、金銭的にも、物理的にも当然無理なので、脳内旅行をすることにしましょ。須賀敦子、林芙美子、寺山修司は私の中で旅の作家なので、楽しく読む。注目は以前原由美子の本で知った堀内誠一。それから建築家の宮脇檀。堀内誠一がパリから石井桃子にだした手紙が最高。宮脇檀はレンガやタイルなどの家に関する石ころを手ににんまりしているところが思い浮かび本当に可笑しい。
2015/03/17
クラムボン
この本との出会いは2年前。堀内誠一が縁だった。そして最近読み友さんのレビューを拝見…これは読むしかない!と思った。15人の作家で気になったのが静岡ゆかりの村松梢風。忘れられた存在だが、良くぞ取り上げてくれた。孫の村松友視の随筆「梢風のスタイル」は悪くは無いが全6頁では物足りない。ところで旅のスタイルだが…全く違う二人が面白い。建築家の宮脇檀は徹底して歩き回り記録に収める。宿泊部屋は巻尺で測り1/50の実測図を起こす。田中小実昌は特に行き先が無くてもバスを見たら乗る。定期券を買って毎日乗った…恐るべし。
2024/07/12
ふろんた2.0
作家の旅の記録。解説は少なめだが、手紙やメモに味わいがある。
2014/12/08
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