〈遊ぶ〉シュルレアリスム (コロナ・ブックス)
〈遊ぶ〉シュルレアリスム (コロナ・ブックス) / 感想・レビュー
yn1951jp
楽しいシュルレアリストの遊びの世界。「<遊ぶ>シュルレアリスム-不思議な出会いが人生を変える」展(2013)では私も楽しませてもらいました。デュシャン「レディーメイド」、エルンスト「コラージュによる偶然の出会い」、岡上淑子「不思議の国」、シュヴァンクマイエル「怪談」、マン・レイ「アングルのバイオリン」、植田正治「砂漠のオブジェ」、デ・キリコ「憂鬱と神秘」、ダリ「変質狂的で可食的な美」、マグリット「囚われの美女としての風景」、デルヴォー「夢の神話の女性たち」。シュルレアリストたちはいずれ劣らぬ遊び人ばかり。
2015/04/05
Yuuki.
今までただただシュルレアリスムの作品だけを見てきたけれど、シュルレアリスムの始まりや各技法、作品について分かりやすく解説してあり、作品一つ一つの見方が変わった。展覧会のカタログとして作られた書籍というだけあって、オールカラーでたくさんの作品が掲載されているのが嬉しい。しかも、展覧会のカタログではなく独立した著書を目指したとあるだけあって、書いてなかったらカタログとは思えない内容。ヤン・シュヴァンクマイエルの作品も多数掲載されている事が、個人的にはポイント高い。
2018/01/14
小木ハム
マグリットに惹かれて立ち寄った本。シュルレアリスムとは『超現実+ism』である。この超は超越的という意味ではなく″超かわいい″等のニュアンスに近いらしい。メタ解像度をとんでもなく上げた末に視える現実、という感じなのかなぁ。技法には子供の遊びから派生してるものが多い。主義や様式にとらわれず表現の多様化こそ良しとする何でもありの世界で『遊ぶ』ことによりその幅を広げていく。作品名にも言葉遊びが含まれていたりする抜け目のなさ。音楽のサンプリング法もブリコラージュ(寄せ集め)の一種?カラー満載の楽しい本でした。
2019/05/04
りり
シュルレアリスムの歴史を作品と共に説明した本。この方の解説は、とてもわかり易くて、シュルレアリストたちの作品にも興味津津になった。私はとにかく昔からマグリットが好きなのだけれど、日本の方で岡上淑子さんという方のコラージュがとても面白いと思った。シュルレアリスム自体が、正式な美術をきっちりと学ぶことから自由であろうとするものであるので、彼女も勿論美術を学んだ人ではない。洋裁学校に行っていたとのこと。技術と本人の感性との組み合わせが私の心の琴線に触れたらしい。コラージュに関しての本も読んでみたくなった。
2015/02/17
メタボン
☆☆☆ シュルレアリスムなのに体系的?と言ってはおかしいかもしれないが、作品が一堂に会した展覧会の解説はシュルレアリスムの思想を良く整理している。ほとんど日本の美術館にある作品ということが驚いた。富山の美術館で瀧口修造のオブジェを見たが、そのたたずまいに惹きこまれてしまったことを思い出す。デカルコマニーは偶然の産物で誰にでも出来るとあるが、自分がやっても瀧口のようなたたずまいは出せないであろう。マンレイやデュシャン、ブルトンのようなシュルレアリストのオブジェは「あざとい」。マグリットやデ・キリコも好き。
2014/05/21
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