犯罪者たち: 罪にいたる病
犯罪者たち: 罪にいたる病 / 感想・レビュー
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元警官でありながら強盗殺人を犯した広田死刑囚について一章割かれている。彼は京都府警に十五年も勤めながら巡査部長に留め置かれた。高所恐怖症でもあったことから「高いポスト」に昇っていくことに抵抗があったのではと著者は洒落のめすが、あながち冗談ではない。彼がいた西陣というのは京都っぽさが色濃い街。京都人は、決して排他的ではないが、千葉出身の彼にとっては、異郷どころか異国にも思えたのではないか。その疎外感や気後れが、左遷をきっかけに憎しみに変化し、事件に転化したのではと邪推する。
2021/11/06
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