中野重治評論集 (平凡社ライブラリー な 8-1)
中野重治評論集 (平凡社ライブラリー な 8-1) / 感想・レビュー
あかつや
評論集としてあるが必ずしもお固いものばかりでなくエッセイ的なものも収録されている。その時代の世相や風俗を感じられて興味深い。戦中東京の女性ファッションを語りながらなぜか男の禿や白髪へと論は移り「禿の美しさは日本ではまだ認められていない」などと言い出したのには笑ってしまった。肝心の評論はもちろん鋭く、名指しで的になった人が気の毒になるほど。その鋭さは己の属する政党へも当たり前にむけられるので、党からの除名となるのは当然の帰結と言える。しかしこのような人材を排除する組織がどうなるかってのは推して知るべしだなあ
2018/04/20
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