加藤周一セレクション 1 (平凡社ライブラリー)
加藤周一セレクション 1 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー
kazuさん
著者は科学と文学を語るために、意識の働きを大きく3つのカテゴリーに分けて論ずる。知る、信じる、感じる。知る即ち知識、信じる即ち信念、そして感じる即ち感情である。これらの典型的な表現は、それぞれ、知識が科学に、信念が宗教や哲学に、感情が抒情詩になる。抒情詩は拡大すれば文学になる。図式化すれば、一番左に科学、真ん中に日常、一番右に抒情詩を置き、真ん中の日常を縦に引き延ばすと、哲学や歴史や宗教になると言う。この図式は左から、知る、信じる、感じるの3者と重なる。非常に斬新な考えであり、面白いと思った。
2020/12/20
shouyi.
第1章の「科学と文学」だけ読む。 結論は予定調和だったけど、これほど明晰な説明を聞いたことがない。講演ということでかなりわかりやすい。
2018/12/02
モリータ
親和性が高いのはついた師匠(とその師匠)のことを考えると当然といえば当然なのだが。「文学の擁護」「E・M・フォースターとヒューマニズム」「サルトルの知識人論」は何度も繰り返して読むべき文章。
2012/02/18
盧 嘉林(Lu Jialin)
前半の扱うテーマの難しさと、そのテーマに反する恐ろしいとしか言えない鋭い書き口はまさに鳥肌(読みやすい読みにくい、分かる分からないはともかく)。 ただ後半はフランスやドイツの詩や歴史にうとかったのであまり理解できなかった。 またいろいろ読んでチャレンジしたい
2016/09/14
北六
この人の手にかかると,自分が読んでいない作品についての議論がなんとなく分かる.かなり複雑なテーマのはずが,筋道立った文章により自分の手に届くところにあると感じる.頭のいい人だ.
2012/06/10
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