青の美術史 (平凡社ライブラリー こ 12-1)
青の美術史 (平凡社ライブラリー こ 12-1) / 感想・レビュー
パトラッシュ
青は特に珍しくない色と思えるが、青色をした自然のモノは少ない。空や海の青は光の乱反射によるもので、青い顔料を作るのも19世紀初めまで難しかった。だからこそ青は高貴な色とされ、多くの絵画や美術品で聖なる存在の象徴として描かれてきた。そうした西洋美術史における青の位置付けを辿り、画家たちが青色に何を求め見出していたかを探る。ルネサンス期の青は聖母子を示し、印象派やピカソでは欲望や苦悩を表し、ボッロクやクラインにはブラックホールのような無となった。そして現在、青と黄の旗と白青赤の旗が血みどろの戦争を続けている。
2022/03/19
チューリップ
青と言えば個人的にはフェルメールのイメージだったんだけど、当たり前だけど他にも印象的に使う画家はいたんだよなと読んでいて思った。
2013/09/17
夏音
後書き後の讚「(小林先生の)文は光さす行為」から気づいた、、物語とは何も無いところから「光あれ」という行為だと 創造主か なるほど 小林先生の文章は「閃光のよう」というのは言い得て妙。 全体の5割くらいしか頭に入ってこなかったんだが、それは全体を照らすというより、強い光で何かを射抜くようなだからか?局地的に異様に明らかになるけど、全体を知ってないとそこを照らされても理解が追いつかないみたいな? あとでまとめる
2018/01/31
Masakazu Shimamura
本来、語り得ぬ色彩や絵画というものを語り得るものにしようとする本書の挑戦という構図そのものが、私達が「青」を見ようとする試みを直接的に現しているのだろうか。
2017/04/13
wintersmoon
卒論、文学研究の援用のため読んだ。元々は柴村仁「ハイドラの告白」で知った書名だったのだけれど。美術史ということで、とても具体的な作品鑑賞が中心。
2014/06/30
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