日本幻想文学史 (平凡社ライブラリー す 9-1)
日本幻想文学史 (平凡社ライブラリー す 9-1) / 感想・レビュー
コットン
古代から昭和までの幻想文学的感覚の調査が凄い!説教→浄瑠璃→歌舞伎というラインがあるらしい。「『ドグラ・マグラ』に至っては、こんな小説に出わなければよかっと後悔させられるほどの大傑作である。」と「『黒死館殺人事件」を書いた小栗虫太郎も、魅入られたら最後、一生付き合わねばならない作家である。」は深く同意!
2014/08/11
有理数
「幻想文学」というジャンルの変遷について古代から現代まで須永朝彦が綴る。あまりに淡々としすぎて頭に入りにくいけれども、幻想文学の流れは一応掴める。仏教の説話と幻想の関わりなどの記述も面白い。明治以降しか親しんでいないので、やはりそれからの方が頷きながら読めた。知っている作家でもまさか幻想小説を書いているとは知らなかった作家などもいたので、読書の参考にもなる。明らかに明治以降の考察は薄いけれども(澁澤・中井辺りがさらっとしすぎている)、探偵小説への言及もあり、特に谷崎佐藤の記述は面白かった。
2015/03/03
Akito Yoshiue
なぜもっと早く読まなかったのか…。好著。
2015/05/17
osaru
近代の日本幻想文学史を読みたくて買ったのだが、何とも断片的だ。「古典時代に関しては通史の体を心がける所存ながら、近代に至っては急所重視に変ずるかと思う」と「はじめに」で断っているので、これは店頭での立ち読みの重要さを思い知らされた。それと、「幻想文学」という用語の発生の追求が甘い。「昭和四十年代に至ってからではなかったか」「この間に~定着したに違いない」など。文体も独自の癖が強く、堅くて読みづらい。
2015/02/07
nanako
古代から近代までの日本文学の中から、幻想文学というジャンルに当てはまりそうなものを取り上げて解説している。得たものもありますが、教科書のように淡々としていて、なぜそういう物語が親しまれていたのかなど、日本人の精神の解説まで踏み込んで欲しかったです。それを求めるのはお門違いでしょうか。
2014/12/28
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