江戸はネットワーク (平凡社ライブラリー た 19-1)
江戸はネットワーク (平凡社ライブラリー た 19-1) / 感想・レビュー
優希
とても興味深かったです。近世という時代背景における人々のネットワークには深いものがあるのだと思いました。大きく、手の届かないような莫大な繋がりよりも、手の届く範囲の絆である「連」のあり方が重要だと説いています。「連」によって仕切る自由さが封建時代ならではであり、現代のコミュニティにも通じるものがあると思いました。
2016/08/14
うりぼう
「外見よりも内容」などというまやかしは、江戸では通用しない。外見こそが内容、そもそも内容などというものは、浮世に存在しない。この域に達することが自己主張。形而上を無視し、自己の一貫性を否定する。源内から南畝、山東京伝への系譜は、まさにキュレーター。連を仕切るもの自由さは、封建時代というイメージの対極にある。日本の文化の心髄にパロディがあり、強かさがある。あらゆる知性を換骨奪胎し、浮世を透徹した視線でながめ、「馬鹿孤ならず、必ず隣あり」は現代のバラエティブームに通じる。松岡正剛と意気投合する著者は、遊女
2011/04/26
たらら
連というあり方を書く第1章もよいが、第3章の連に集う人々の人物篇が素晴らしい。山東京伝から蔦屋重三郎、太田南畝に平賀源内。ナンセンス・シノワズリにも抱腹絶倒。『江戸の想像力』『江戸の音』と併せてこれは名著。
2010/06/04
常磐条(ときわとおる)
「趣向」は大きくなくていい。「世界」も手が届かないくらいでいい。そういう小さめの人のつながりのありかたを江戸時代には「連」と言った。体温が伝わるくらいの広さ、目が届くくらいの広さに、さまざまな場面や人物が暖簾をくぐるように出入り、去来する。連では皆が手ずからコンテンツをつくっており、その場面も共有しあった。そして方法と内容を分離させることなく、文化を醸成する場として機能した。(解説より抜粋、一部改変)
2013/07/27
勝部守
連と江戸の出版界のエネルギー
2013/05/03
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