機関銃の社会史 (平凡社ライブラリー エ 2-1)
機関銃の社会史 (平凡社ライブラリー エ 2-1) / 感想・レビュー
モリータ
◆原著は1975年刊、1986年新版。訳単行本は1993年刊、本書は2008年刊。著者のプロフィールが書いてなく、ネットでちょっと調べても出てこないので断念(疲れてるし)。◆小6の時の旅行で函館・五稜郭で観た再現ビデオに手回し式ガトリング砲(武田観柳がぶっ放してるやつね)が出てきて、それより前に観ていた『二百三高地』でロシア軍が機関銃で日本兵を薙ぎ倒していたのを思い出し、明治初期に機関銃を輸入してたのになぜ陸軍に導入されてないんだ!と思ったのは積年の疑問だった。
2020/08/23
左手爆弾
本としては、繰り返しが多く、時系列が不明瞭なところがあり、内容に不足があると感じたところも多い。しかし、問題の発見と整理の仕方は実に見事で、他の様々な研究領域にも応用できそうだ。全体としては、機関銃が技術的に作りだされることと、それが実際に重要な戦場に投入される際の「イデオロギー的要因」に特に重点を置いている。人間は技術的に有用だからそれを用いるのではない。自分の描いている世界観にそぐわないものは、使わざるをえない場面に追い込まれるまで使わない、ということか。
2019/04/21
in medio tutissimus ibis.
本書は兵器の受容についての書であると同時に、死の受容についての書でもある。就中、瞬間的な大量虐殺の受容の難しさは、その圧倒的な現実を考えれば些か奇妙に映る。西部戦線の塹壕から突撃を繰り返す貴族出身の士官たちも、呪術により銃弾を水に変えられると信じるアフリカ人や太平天国も、その点では変わらない。同胞の死骸の山を前に、それでも自分の無常を覆い隠す無明の源と、それを照らす灯の在処や何処。遠隔地での他民族の虐殺についての無感覚など、この奇妙さに比べれば正常の範囲だろう(この時代の資本家による労働者の収奪を見よ)。
2017/11/10
中島直人
機関銃を基にした、技術視点からの社会史といった側面強し。多くのエピソードがちりばめられ、読みやすく面白い。
2014/11/28
ゴジラ 芹沢
機関銃の発明者の秘話と軍隊の保守性が学べる。機関銃にいち早く目をつけたロシア(今でも銃器は優位)と日本による日露戦争。数多くの機関銃の発明者を生み出しながらもそれを長いこと活かさなかったアメリカ。植民地では機関銃の威力を十二分に認識していながらも、本国では機関銃を戦闘前に脇に隠せとまでいう精神と技術主義のイギリス(L86が思い浮かんだ)。新しい武器が受け入れられるのはここまで困難だったのか
2016/01/05
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