古典BL小説集 (平凡社ライブラリー)
古典BL小説集 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
有沢さんから勧められた本でした。時々、平凡社は『ゲイ短編小説集』といい、『レズビアン短編小説集』といい、センセーショナルな題名のアンソロジーを出すよね・・・。BLというよりもJUNE。ラシルドの『自然を逸する者たち』は弟を妹として愛する兄という兄弟の近親相姦というダブルミーニング的題名に唸りました。でも個人的には森茉莉は『恋人たちの森』より、SMを美少年に教え込むことで寝盗った結果、破滅を招いた『枯葉の寝床』の方が耽美性と背徳感があって良かったんじゃないかしらと思います。
2015/09/01
くさてる
BLというよりはJUNE。というのが最初の印象。昔のJUNE(雑誌)が、こういう古典文学のなかからも、そういう匂いのする作品を探しだしては紹介する役割も果たしていたように記憶しているだろう。長編の抄訳も多い為、読みにくいところも多いけれど、それぞれ個性が合って良かった。個人的には、森茉莉「恋人たちの森」が最高傑作ですが、作品的にいちばん面白かったのは、ブラッドリー+ウェルズ「もうひとつのイヴ物語」でした。
2015/07/07
みやの はるか
BLというジャンルが成立する前の<BL>小説を収録したアンソロジー。BLの定義を「女性作家が書いた、男性同士の性愛を扱う物語」としている。BLを読み慣れている人は「想像と違った」と戸惑うことになるだろう(私もその一人だ)。なので、解説まで読むことをおすすめする。それが収録作品よりも面白いと感じても悪いことではないので大丈夫だ! 個人的には、編者の笠間氏が執筆中という本が気になるのだが…。
2015/08/16
かやは
「やおいサブカルチャー出現以前の女性作家によるBL小説」を紹介した一冊。現代のBL小説と比べてしまうと、当たり前かもしれないがかなり刺激が少ない。ひたすら台詞と行動、情景描写。二十数年前発行のBL小説を読んだときにも感じたが、BL小説の文体はかなり時代性が反映されるようだ。森茉莉の作品で「セーター」が「スウェータァ」となっていて、そういえばいつの時代からカタカナ語は統一されたのかなあと思った。
2019/02/28
kat
BLというよりはやおいとかJUNEとか、そんな感じでした。読みにくい作品もあったけど、興味深かかったです。最後のSF作家さんは、もっと他の作品も読んでみたい。
2015/07/01
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