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増補改訂 日本の無思想 (平凡社ライブラリー)

増補改訂 日本の無思想 (平凡社ライブラリー)

増補改訂 日本の無思想 (平凡社ライブラリー)

作家
加藤典洋
出版社
平凡社
発売日
2015-12-10
ISBN
9784582768350
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増補改訂 日本の無思想 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー

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ころこ

97年『敗戦後論』で論じられた、戦争の死者の声におけるタテマエとホンネの人格分裂の議論を前半にある問題提起の議論として引き継いでいる。本書は最初に新書として刊行されているが、同じ99年に出版された『戦後的思考』で、私利私欲の上にどのようにして公共性を築くのかという問題が後半で論じられている構成になっている。本書が非常に読み辛いのは、著者の代表的な仕事である戦後問題の上記2冊の間に書かれ、両著作を生煮えの状態で論じているからだ。日本の「無思想」と思われている現象が、これでもかという程に丹念に解釈されている。

2023/06/19

図書館で借りた。ホンネとタテマエを軸に日本人の思想を読み解く、なかなか面白い本です。

2016/03/14

中年サラリーマン

面白い本です。政治家の失言(昔からあるのですね)を取り上げて面白い考察をしている。なぜ失言を撤回しても恥ずかしがらないのだろうという疑問から、単純なホンネとタテマエ論ではなくそこには信念を曲げているのに曲げていないかのように考えられる思考装置が存在する。そして、それが機能していることをを失言した本人だけでなく日本社会も受け入れているのではなにか?そして、それを可能にしているものは・・・と議論が続きとても楽しかった。この著者のほかの本も読んでみようか。。。

2017/09/01

ドウ

何故政治家の失言は容易に撤回されるのかという疑問から始まった「ホンネとタテマエ」論。ホンネは本心=信念とは別であり、本心はある種のニヒリズムである。日本における公私は上蓋を公、その下を私とするものであるが故に、黒船や1945を機に公がすげ替えられ、その下の全てが徹底脱帽(即ち転向)する。権力に対抗するには、相手と同じ言葉を遣わない沈黙という手段がある。しかしそこから1歩進んで、私利私欲の上に公共性を構築すべき(以上内容)。人文学研究のお手本のような本。

2017/08/06

Mealla0v0

加藤典洋の「戦後」をめぐる問題として書かれた、「タテマエとホンネ」論。失言の考察から始まり、タテマエとホンネは入れ替わり可能な概念で、これは口にされた本心ではない。ゆえに失言は容易に撤回される。▼このタテマエとホンネの起源はどこにあるのか? いくつかある。明治期における「内と外」の分離や、アレントに準拠した、公的空間の頽落とともに拡大した「社会的なもの」と「親密なもの」、そして日本の公私概念として民俗学や歴史学の議論を辿る。▼我々は新たに、「私利私欲」に基づいた公共性を構築せねばならないと言う。

2017/02/04

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