文字講話2 (平凡社ライブラリー)
文字講話2 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー
(haro-n)
甲骨文や金文を始めとする膨大な資料から、漢字源を探る研究をしてきた白川静の講演をもとにした本。示偏は祭壇の形を表し、祟は祭壇上に犠牲の獣を置いているところ。また、こざと偏は、神様が降りてくる階梯の形をしているのだそうです。こざと偏は音の類似から字源を追究した研究では、積み重なった土(丘?)を表し、漢和辞典でもこちらの説明が取られています。しかし、本書のこざと(阜)系の字形を集めた資料を見ていると、丘というより確かに梯子のように思えます。または旗かな?字形を眺めていると色々な想像が出来て面白かったです。↓
2018/07/22
roughfractus02
フェニキア語で牛の頭を指すAlephがαとなり家を指すBethがβとなるには、地中海交易とカルタゴの興隆が条件だったという。多言語間の人的交流を背景に、西洋の文字はそれ以前に祭祀階級が独占したエジプト等の象形文字も交易する人々の声に変換可能な少数の音素に還元される。東洋の沿岸地域で興った文字は、この過程が漢字圏内で進行する。祭祀階級の象形・指事・会意から帝国の形声への転換は、逆に文字記号を増大させる。この転換に注視する著者は、現代の京都の祭りにも、日本を超え、自然と交流していた漢字圏の祭祀の痕跡を見出す。
2021/01/03
南北
白川静の文字学を知るのに適した1冊。1年に4回行った講演記録です。余談ですが、満州事変に言及しているところで、事実誤認があるなぁと感じました。
2017/04/21
Keiichi Momoi
6.原始の宗教 7.祭祀について 8.国家と社会 9.原始法について 10.戦争について
2018/05/23
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