文字講話4 (平凡社ライブラリー)
文字講話4 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー
roughfractus02
ある作品を暗唱すると故事成語が頭に入り、他の作品を読む場合辞書に頼る必要がない、と著者は言う。典故表現の多い中国古典では、ある作品が圧縮されて故事成語として別の作品に組み込まれるインターテクスト性を持つのは確かだ。が、著者の「暗唱」には、画を全て書き写すことでその諸部分の構造を手を通じてその「印象」を記憶する作業も含まれる。画が音を伴って文を成す漢字では、文の意味と画の「印象」が重なる。一方、本書を読む読者には、キーボードを打つとそこに並ぶ音声文字に残る画のかすかな「印象」も均一化されるように感じられる。
2021/01/05
Keiichi Momoi
16.感覚について 17.載書字説 18.文字の構造法について 19.声系について 20.漢字の将来
2018/05/23
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