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新版 吉本隆明1968 (平凡社ライブラリー)

新版 吉本隆明1968 (平凡社ライブラリー)

新版 吉本隆明1968 (平凡社ライブラリー)

作家
鹿島茂
出版社
平凡社
発売日
2017-11-10
ISBN
9784582768619
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新版 吉本隆明1968 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー

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かんがく

吉本隆明については「昭和の思想家でばななの父親」というイメージしかなかった。吉本の思想を、大衆と知識人というところを軸にして、ですます調の平易な文章で解説している。スターリン主義への批判とナショナリズムの分析、そしてなによりも高村光太郎(=吉本隆明本人)論に多くの紙幅を割いている。著者は吉本主義者を自認しているので、とにかく褒めそやすが、それを前提として読んでいるので嫌な感じでもなかった。むしろ全共闘世代としてリアルタイムで吉本に触れた著者の視点を通しているため、半世紀以上前の思想も瑞々しく伝わってくる。

2019/01/19

sashi_mono

フランス文学者であり、熱烈な吉本主義者でもある鹿島茂さんが、吉本の初期作品の思想的勘所を分かり易く解説してくれる。本書でピックアップされた評論をすでにいくつか読んでいたが、鹿島さんのナビゲートを通してふれると、その問題意識がより明確に伝わり、一貫した流れのもとに把握できる。吉本の、階級出自を軸にした芥川についての考察は、すこぶる冴えわたっており、あらためて素晴らしいと感じ入った。鹿島さんが述べるとおり、芥川の評論はこれで決まり!と思えるほどだ。

2018/04/02

hiroizm

この本は、吉本隆明が支持された著者の個人的体験も含む当時の社会背景の説明と、吉本の「高村光太郎論」を中心に引用しつつ、戦争時の知識人の思考を分析批判した吉本の思想を解説する、という内容。この数年、なぜ日本はアメリカと戦ったのか?をテーマに読書し、西欧と日本の文化的ギャップに苦悩する当時の日本人の姿を感じていた僕にとって、この本にある吉本隆明の高村光太郎批評はホント衝撃的。引用されていた吉本隆明の夏目漱石の分析もなかなか唸るものでした。

2017/12/14

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