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金文の世界: 殷周社会史 (東洋文庫 184)

金文の世界: 殷周社会史 (東洋文庫 184)

金文の世界: 殷周社会史 (東洋文庫 184)

作家
白川静
出版社
平凡社
発売日
1987-02-01
ISBN
9784582801842
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金文の世界: 殷周社会史 (東洋文庫 184) / 感想・レビュー

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りー

読んだ、というより流し見をした、に近いのですが(^^;。殷→周→西周→春秋と作られた古代中国の青銅器に刻まれた文字いわゆる「金文」を読み解くことで、周の統治とそれがどう崩壊して行ったかを明らかにする本。金文に記された土地制度からは、広大な土地を有した地方の豪族が力を蓄え、中央集権国家=周を次第にに骨抜きにしていくのが分かりました。これはどこの国も同じだなぁ。また、殷の王族たちは、周の時代になっても影響力を持ち続けたというのが興味深かったです。

2020/08/30

roughfractus02

BC1300年から存在する金文は青銅器の内側に刻まれた文字であり、人が読むには拓本を取る必要があるとされる。どうやって内側に刻んだのか?なぜ内側に刻んだのか?その理由は不明だという。一方、象形文字(図像記号)とそのバージョンからなる金文は、過去を記述するのではなく同時代を刻む貴重な資料と言われる。主に殷から西周にかけての金文を読み込む著者は、殷の滅亡から周の滅亡へと断片的で散在する金文を繋ぎ合わせ、享楽的な殷末期から質実な周の中央集権になっても力を蓄える地方豪族たちが、周を分断する契機を作る点に注目する。

2020/12/20

ヴィクトリー

タイトルの「金文の世界」と言うよりも、金文から読み解く周王朝(殷末~春秋)の歴史と言う感じの本。任官や顕彰、土地の贈与などを記念して造られた器物である事を記した文章がほとんど。そこに記された干支などを元に年代を特定する断代の方法など結構専門的な事も書かれてある(ちょっと難しかった)。漢字学者だと思っていた著者の歴史家としての一面を知った本。

2012/07/04

青銅器の銘文に刻まれている金文をもとに、習王朝の形を研究する本。中国の古代文化の最も栄えた時代であった周時代は青銅器によって特徴付けてられており、宗教的性格が弱いものとなっている。占いや豪華な催事はおこなわれず、世俗的・現実的な教えを青銅器に刻み込んだことが王権を支える教えとなり、それが現代でも通用すると考えられている。時代順に並べられていないのでやや混沌とした印象を受けたが、後の儒教思想の根底にこのような考えがあると知っただけでも収穫モノ。

2011/04/29

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