淫蕩学校 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)
淫蕩学校 (ホラー・ドラコニア少女小説集成) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ドラコニアの第3巻。今回は、サドの『閨房哲学』から抄訳されたもの。もとの『閨房哲学』が未読なので何とも言いかねるのだが、スイスの僻遠の地にあるというデュルセ公爵の城の中で繰り広げられる淫蕩の数々が描かれるのかと思いきや、本書ではその準備篇から、公爵による開幕の挨拶までで終わってしまう。この後に本編が続くものやら、あるいはそれは読者の想像力に委ねられるのかはわからない。元版を読むしかないだろう。なお、ここでの舞台装置は、レアージュの『O嬢の物語』を髣髴とさせるもの。また、町田久美の絵は私の趣味には合わない。
2015/02/01
YM
読もうかどうしようか迷ってるサド『ソドム120日』の序章ということで試し読み。ホラー・ドラコニア少女小説集成は、イラストも楽しみ。今回の町田久美さんもなかなかの気持ち悪さでニヤリ。相変わらずこのシリーズの編集やってる人のセンスいいなあ。序章でしっかり引き込まれた。放蕩学校って設定がポップよなあ。先生狂ってんもんなあ。やっぱり正月はソドムいくかな。
2014/12/15
二戸・カルピンチョ
サド、初めまして。汚いものとか醜悪なものとか残虐なものとか。悪くないけど、ポップなものとの組み合わせは、うーん…て感じ。
2022/11/12
夜間飛行
サドの小説なんか、どこが面白いんだろう? という向きには本書を推薦したい。人の情欲を昆虫採集よろしく展示してみようという発想なのだが、語り手の四人の女性の紹介で、必ずお尻の品評をしているのが楽しい。デュクロは見事なぽってりした尻、シャンヴィルは擦りへり強ばっているがこの部分は処女。ふとっちょのラ・マルチーヌは栽尾の常習犯。ラ・デグランジュはどんな巨大な得手吉でも受け入れ可能だという。「栽尾」「得手吉」など、私は最初からぴんときたが、挿絵を描いた町田久美さんは一つ一つ辞書を調べ、結局見つからなかったそうだ。
2013/06/27
藤月はな(灯れ松明の火)
倉敷の大原美術館で恩田陸さんの「唐草文様」のイラストを担当した町田久美さんの絵も展示してたので読みました。淫猥な戯れの期間への選別と準備である序章ともいえる作品。押絵が処女帯、手淫などのモチーフを秘めているのがなんともエロティック。
2012/09/05
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