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桂東雑記 (3)

桂東雑記 (3)

桂東雑記 (3)

作家
白川静
出版社
平凡社
発売日
2005-05-01
ISBN
9784582832631
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桂東雑記 (3) / 感想・レビュー

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りー

この巻にも白川さんの遺された様々な言葉や文章が収録されています。最も心を打たれたのは、長年連れ添った奥さまを亡くされた時の歌「我が眼守(まも)る 計器の針の 揺れ乱れ やがてま白き 書面となりぬ」「嚴(いか)つかりし 手のやさしさよ 指細り 細りたる手を 靜かに握る」「立ち去らば 千代に別るる 心地して この室中を 出でがてにすも」卯月抄、として詠まれた一連の和歌は発表するつもりなく書かれたものだそうです。泣けてきます。また、戦中に従軍歌人として前線に赴いた歌人がいたこともこの本で初めて知りました。

2020/04/04

roughfractus02

古典は、古いものは新しいものよりもより長生きすることを教える。古典は長期にわたる試行錯誤によって獲得され、集積され、記憶された知恵だからだ。漢字の画に無文字時代の人々の知恵の存続を見出した著者は、師となる歌人小泉苳三と出会って創作を深め、長年連れ添った妻の死に際して詠む短歌にも、多数の有名無名の人々が存続させた知恵の集積を見、自己はこれらの集積から成ると捉える。漢字は他国からの借り物ではなく、長い年月を経てこの国独自の知恵を作ったのだ。この字によって国を超えて織りなす知恵の網の目を、著者は「東洋」と呼ぶ。

2020/12/29

hachiro86

漢字を通じて知る東洋の一体性。

2009/07/23

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