白川静読本
白川静読本 / 感想・レビュー
魚京童!
白川静氏のことを考えるとき、なぜか私は、深い洞窟の中に隠れ住んでいる恐竜に似た超古代の怪獣を思い起こすのである。
2014/03/05
ひよピパパ
古代漢字研究の泰斗・白川静氏について、各分野の識者47名の追悼文を綴った書。白川先生の研究の凄さと偉大さがこの一書でわかる。ただ寄せられた文章に玉石混淆の感があるのは否めない。特に秀逸なのは小山鉄郎、溝上瑛、加地伸行の各氏の文章。特に加地氏は儒教の宗教性を唱えたことでも知られるが、古代漢字に秘められた宗教性・呪術性に着目した白川氏の研究との親和性もあってか、書きぶりが情熱的だ。冒頭に松岡正剛氏と五木寛之氏の対談を載せるが、大伴家持の捉え方に違和感があり残念。(家持は越中国司に左遷されたのではないはずだ!)
2021/08/15
りー
酒見賢一さんを掘っていたら、白川静というもの凄い鉱脈に辿り着いてしまった。半分は「げっ。ヤバイ!」ですが、もはや腹を括って当たって砕けるしかない。というわけでこの本です!綺羅星のような執筆陣を見てほしい。宮城谷さん、押井守や岡野怜子まで入っている。ほ~ら、頁を開けば、古代中国の精神世界がすぐそこに・・・現代の巫たちは涎を垂らして食いついている。万葉集と詩経を同一目線で見る白川静さんからすれば、古代日本海を取り巻く国々は一つの文化圏なのだ。はー。言葉もなく、一人の人間がつくりだした学びの扉の前に立ち尽くす。
2020/02/11
ラグエル
つくづく「口(サイ)」の発見はすごいと思うのですよ。
2012/10/18
BIN
古代漢字研究の第一人者であった白川静先生に対しての様々な業界からの追悼文や想いが綴られた本です。ほとんど知らない方々でしたが、宮城谷昌光、浅田次郎、酒見賢一など歴史小説家からのコメントもあります。序文の五木寛之と松岡正剛の対談にある識字率ならぬ識詩率の低下は本当に痛感しました(自分に対しても嘆かわしく思いました)。老いて益々盛んというか90才を超えても執筆を続けるパワーを感じさせられました。
2021/03/02
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