東京ふつうの喫茶店
東京ふつうの喫茶店 / 感想・レビュー
いちろく
あとがきの通り、ひっそりと長年続いている、東京のふつうにいい喫茶店の紹介本。私自身の心の中にある、個人経営の喫茶店の敷居の高さを、低くしてくれる様な本でした。ドトール、スタバ等、私が自分のお金で喫茶店を利用し始めたのは、地方でもチェーン店系の喫茶店をよく見かけるようになった頃。一人の利用だと気軽さもあり、ついついそちらに行ってしまう。個性が溢れる個人店の良さの理解に至るには、まだまだ時間が掛かりそう、というのが本音。
2014/10/01
タカラ~ム
スタバやタリーズ、ドトールもいいけれど、昔ながらの純喫茶のゆる~い空気感の魅力には変えられない。マスターがじっくりと淹れてくれるコーヒーに、今日はホットケーキでも頼んでみようか。バラけないようにホッチキスで止めたスポーツ新聞は常連と思しき初老の男性が熱心に読み耽っている。まったりした時間が流れるなにものにも代え難い時間を、ゆっくりと楽しんでおきたい。
2016/06/29
きき
この本の凄いところ。よくあるお店の紹介文などには大概お店の外装・内装の写真が付き物かと思うけれど、この本、写真一切なし。文章と、各エピソードの最後に可愛らしいイラストが入っているのみ。それなのに読んでいると、お店の中の風景…マスターがコーヒーを入れている様子や店内のインテリア、お客さんの様子などなど…がはっきりと浮かんでくるのだ。店主達と打ち解け、丁寧に会話を重ねた泉さん。外見だけでなく、言葉でないと分からない深い部分まで吸収したからこそ、きっとこんな素敵な一冊が出来たのだ。
2016/08/11
駄々猫
喫茶店・カフェ本は色々読んでいるから、被る店もあるのだけれど、単なる店紹介のガイドブックではなく、泉さん独自の目線、感想が綴られている点が良かった。取材拒否の店は載せないとか、混んでいる時は出直すとか、取材者としての姿勢にも感心した。
2011/08/21
タカギ(ユ)
おしゃれすぎず、どこかもっさり。でも店内の空気の隅々まで血が通っているような、温かみがあって、いつまでもいていいような錯覚さえしてしまう居心地のよさ。そういうのが、日本の喫茶店だよなーと、しみじみしながら読んだ。巻末のショップカードはすぐれもの。
2010/05/29
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