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一刀斎、最後の戯言

一刀斎、最後の戯言

一刀斎、最後の戯言

作家
森毅
福井 直秀
出版社
平凡社
発売日
2010-12-18
ISBN
9784582834925
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一刀斎、最後の戯言 / 感想・レビュー

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trazom

来月で丁度没後10年となる森毅先生の箴言集。教養部の頃、先生の授業に潜り込んだことがある。黒板に書籍を2冊大書きして「講義に来るより、この本を読んで自分で勉強して下さい」と仰った後、ずっと雑談が続いたのを思い出す。「仲間になろうとしないのが、いじめられないコツ」「多数派が幸せになる社会はだめになる」「教師とは見本であっても手本ではない」「エエ加減さを大切に」などと挑発しながら、「思想は過激に、実行は穏便に。これが現実主義」と処世術もチャッカリ。流石に遠山啓先生は鋭く見破っている:「森君は意外と常識人だよ」

2020/06/18

山口透析鉄

市の図書館本で読みました。京都大学を代表する名物教授でもあった森毅氏の本、生前に結構、読んでいます。読書メーターに登録するほど詳細は記憶していない図書館本が多かったのですが。 正直いって数学者というイメージはあまりないんですが、色んな事象に通じた頭脳明晰な方で、敏腕編集者だった松田哲夫氏とかと組んだちくま文庫のシリーズ、もっと読みたかったくらいでした。 数学教育に関する発言等も好きです。亡くなられた時は母校に献体されたのも、森先生らしい遺言でした。 編集された福井直秀氏の本も読みたいです。

2023/06/27

Gatsby

森先生の文章をあちらこちらから集めた本。つまみ食いする感は否めないが、「ええ加減」がちょうどいいという人だから、こんな本でその言葉を読んで、興味を持ったら、オリジナルで読んでみるという読み方でいいのかもしれない。授業で出席をとってくれという学生に、「分かった。じゃあ、出席している人は試験のとき得なので、その分点数を引こう」と言ったのは森先生らしい。私は大学の4回生で、教養の単位を残していたので、先生の授業を登録したが、試験を受けていないのに合格をくれた。卒業を心配してくれたのか?古き良き時代の先生なり。

2011/01/28

galoisbaobab

数学畑出身のパンクな教育者であるこの人が好きだったんですが「森毅発言集」みたいなやつは初めて読んだ。教育の価値を未来に置く姿勢、保護ではなく自立、権威を必要としないのが専門、大事はものは測定しない、「みんなで渡ればこわくない」じゃなくて「一人で渡ればあぶなくない」、自分の人生ぐらい自分で買え、ボクの心に引っかかる言葉の数々。この先”安定”なんて保証のないものを欲しがるよりも、”自由”であることを志向する方が自分の味が出る人生だよなーと思いました。

2016/10/07

やまやま

編者の福井直秀氏は「笑い」の研究者ですが、本書では森毅氏の様々な戯言をよいテンポで抜粋し、ゲラゲラやクスリを次々に誘うよう仕掛けています。森先生は、真面目(なよう)に不まじめを語るのが真骨頂で、常人はその挑発を真に受けたり、間違ってそんな生き方を目指したりすると自分の人生において想定外のエピソードが出現するなどアクシデントの可能性もあります。一方、現実主義で楽観主義という考え方は、今の時代、大変魅力あふれるものではないでしょうか。ただ、著者は魅力的だったのでそう生きられたというトートロジーに戻りますが。

2020/07/18

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