安全な妄想
安全な妄想 / 感想・レビュー
hit4papa
2005年から2011年ぐらいまで雑誌等に掲載されたエッセイ集です。作家の創造力(!)の源をチラ見しようと、ちょくちょくエッセイを読むのですが、その作家の小説よりつまらないケースが殆どです。本書は、その点では、長嶋有その人と原動力が良くわかるものとなっています。他人にとっては些細なことでも、「妄想」の力を遺憾なく発揮し、拘りを見せる著者。笑いのオブラートに包んだ毒には、作品と共通する切なさを垣間見るとこができるでしょう。ブルボン小林との関係性(?)、などネット検索では知ることのできない真実がここに!
2022/06/30
❁かな❁
お気に入りさんに教えて頂き、初めて長嶋有さん作品を読みました!私は穂村弘さん結構好きなのですが少し通じるところがありました♪作中に少しだけ出てくるH氏は穂村さんなのかな?声を出して爆笑すると言うよりは、ほむほむ同様クスクス、ニヤニヤしてしまう感じの面白さでした♪ご自身の唇が赤いと色々な方から指摘される事から唇モデルになれるのでは?って思い、長嶋さんの妄想っぷりがとても面白かったです!!それから最後に補遺としてそれぞれの章についての説明されているのですがそこも面白かったです♪他の作品も読みたいなと思います★
2013/06/07
tomi
時にお歳暮に蕃爽麗茶ばかり送ってくる出版社と闘い、巨大な木星と土星の不気味さに脅える。細かな事柄に拘ったり妄想たくましいエッセイ集。ジャパネットの番組をこんなに見ている人がいるとは(笑)。雑誌の編集者が編集長に長嶋有じゃなくブルボン小林に依頼して見ろ、と言われたとか。「ブルボン小林」が無名のため略歴にかつて出していた長嶋の名を削ったそうだが、時期尚早では(笑)
2015/01/26
まる
長嶋さんのエッセイ初読み。期待以上にその魅力満載の一作でした。蕃爽麗茶のストローが茶色いことに苛立つ感覚とか、「家電品もツインバードとかじゃない、パナソニック製のもの」のカタログを喜ぶセンスとか、あぁ自分はこういう文章が読みたかったんだ!と腑に落ちる感じがたまりません。芥川賞作家の自負というかプライドも垣間見え、エッセイにありがちな「作家だけど一般庶民と同じですよ~」という無理な卑下をしていないところがまた良かったです。
2016/11/14
おーしつ
「衛星が一個あることについての、一番近い感情は童貞じゃない、だ。衛星はある(経験はすませた)。」 発想と言葉選びが絶妙。補遺もサービス満点で楽しい。芥川賞受賞時の新聞掲載写真は万人に見て欲しい(笑) 「ブルボン」の名前を大事にしていきたいという思いも(両方のファンとしては)嬉しい。 あと「忍者バトン」の話の「学研「忍術・手品のひみつ」のサスケ」というのを見てなんとも言えない懐かしい気分になりましたよ。 好きなのを5本挙げると、「水金地火木土天冥海」「教養」「あたたか~い」「ずっと永田町だった」「唇」
2012/02/07
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