自分を探さない旅
自分を探さない旅 / 感想・レビュー
どんぐり
自分を探すために旅をするわけではないのに、「自分を探さない旅」とは、変なタイトルだ。旅に意味を持たせる必要はさほどない。著者はなぜ旅に出るのか。ズバリ一言で表すなら「体験したい」ということになるという。金があり、時間があり、旅から帰った後の生活に不安がなければ、僕も旅を体験したいと思う。旅のことを書いて、それを原資としてまた旅に出る、そんなニッチな生き方ができるのだから、それは才能である。「旅人はインドを目指す」は、旅行記として十分に楽しめる。インドは1度行って、下痢で苦しんだ。ああ、もう一度行きたいな。
2014/03/31
なにょう
たかのてるこさんとか蔵前仁一さんとか。角幡さんとか。やっぱり旅や冒険したいって、会社や日本を飛び出した人びと。この系譜に連なる吉田さん。面白い、語彙もきらりと光るものがある。★ただの観光客で問題ありませんか?吉田さんは言う。問題ありませんとも。ただ何に光を見るかが問題である。タモリさんみたいに地形にうずく人もいれば、旧跡にときめく人もいる。が、しかし、やっぱり人びとが面白いんじゃなかろうか。なんちゅうこともないフツーの人と知り合って、酒盛りしたり、騙されたり。それが1番面白いんじゃなかろうか。
2020/06/21
Christena
旅をする理由、いつも人に聞かれて困るけど、自分探しでも何でもなく、ただ旅がしたいのだという好奇心、それに尽きる。まぁ、よくあるインド旅モノだけど、そうそう、あるある!っていう楽しさがある本だった。
2015/02/15
nizimasu
最近、この著者の本をお見かけするなあと思っていたら、会社を辞めて旅人になっていたのですね。世代的にも蔵前さんとかグレゴリさんのまた2世代ぐらい下にもこういう旅好きがいるときたものだ。なので、どこか自分史めいたエピソードを織り交ぜていて、いつもの蘊蓄っぽいところはあまりなし。でもどこか叙情的なのは、小林紀晴さんの影響もある頭と読み進める。LCCだったりSIMカードだったり出てくるものは違うし、旅のレートもかなりリッチ。でもそう、ただただ旅をする感覚はとても共感できる。バックパッカーになりきれない感じがいい
2013/12/17
ひまわり
「自分を探す」という言葉はよく聞くけど・・・と思って読み始めた。旅なれない私には絶対できないだろうと思うタイやインド、ブータンでの旅行記。現地の人々との交流はふらり旅ならではのもの。なにはできなくても、飛び込める勇気がうらやましい。だって作者は気ままな学生ではないのだ(笑)インドのラムさん最高です。いつ騙されるかと気になって飛ぶように読み進めてしまった。後半ブータンで聞いた3・11。久しぶりに当時のことを思い出して泣けてしまった。あの時は自分の家にいて自分の家ではないような浮遊感があった。怖かったな。
2013/03/05
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