東京放浪記
東京放浪記 / 感想・レビュー
踊る猫
別役実のエッセイは好きだ。きっと彼の書く透明感あふれる、ふざけているようで根に優しさと確かな観察眼が感じられる文章に惹かれるのだろう。東京は私も住んでいたことのある土地だが、ここまで丹念/丁寧に暮らしていたわけではないので彼に倣って散歩を楽しむとか日銭を稼ぐとかして都会ぐらしを味わってもよかったかなと憧れを抱く。彼とて東京っ子というわけではないみたいだが(そう思えば彼の書く文章からは確かに東京っ子特有の清潔さはいい意味で感じられない)、日々を丁寧に生きてきた生活者/小市民の誇り/矜持を感じて心地よく読める
2023/02/05
gokuri
かつてよく戯曲をよんでいた著者のエッセイ。4年前の著作で75歳での出版。昭和は遠くなったという懐古的な感慨をもちつつ楽しく読了。前半の東京の各地風景、後段の著者の戯曲の数々、どちらもしんみりと心地よい。
2017/08/10
アルクシ・ガイ
東京、行きたいなあ。再三「来ないでください」と言われているのだが。それでも行きたい。
2021/04/24
bb
言葉の選び方がとても正確。生粋の東京人だけでなく、東京生まれで地方に出た人や地方から出てきて東京に暮らす人にとっても魅力のある内容。ともすると寅さんや両津のような浅草周辺の(しかも観光客向けの、表面的な)イメージで全てくくられがちかもしれないが、それぞれの街独自の特色と、東京全体としての捉えどころのなさ、そしてそれらの変化の空気がつぶさに捉えられている。50年暮らしてきて、なくなってしまった喫茶店、避けるようになった上り坂と、散見される著者自身の老いの認識が、何とも言えない気分になる。
2013/05/18
takao
ふむ
2023/01/16
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