幸田文 老いの身じたく (STANDARD BOOKS)
幸田文 老いの身じたく (STANDARD BOOKS) / 感想・レビュー
ふう
作者が五、六十代に書いた老いに関する作品を、没後に孫が編んだ随筆集。身じたくとあるので、老いに向かうにあたっての心構えなのでしょうが、日々の暮らしの中で考えたことがさり気なく、でもしみじみと綴られています。いつも思うことですが、幸田氏の言葉や文は独特の味わいがあって美しく、伝えたいことがすっと胸にしみ込んできます。『老後の仕合わせとは、小さい仕合わせを次々と新しく積みかさねていくこと。仕合わせには永代続くものなどはない。』七十代のわたしも心の身じたくを意識し、小さな幸せを大切にしていこうと改めて思いました
2024/05/29
ほう
幸田文さんの文章は、辞書を片手にじっくりと腰を据えて読むことが多い。私の知らない言葉がたくさん出てくるからなのだけれど、それ以上に美しい日本語に触れたくてページを捲る。文章の最後に年齢が記されているが、ここはとても考えさせられる。
2022/07/19
くるみみ
随筆をテーマ毎に編集したシリーズの7冊目。お孫さんが編集に携わっている。あとがきによると『幸田文が自身の老いを身近に感じ、周囲からの老いの話を見聞きするうになった日々のことが綴られている』とあり、1編の最後に掲載年と当時の幸田氏の年齢が記されていることが読後に感慨深くなるし、参考になると思った。年金受給年齢が上がったことも1例に昔より「老人」とする年齢は上がっているけれども確実に身体も頭脳も若くはないわけだから自覚しつつ、振り返りながらも「老い」に静かに向き合っているような文章ばかりでとても良かった。
2022/03/13
hitsuji023
あとがきで著者が老いというテーマに拒否反応を示した、とある。それを見つめる作業の辛さがわかっていたのだろう。しかし、読んでいる私たちには老いについて考え、参考になる一冊となった。
2024/07/12
あきひと
幸田文さんの随筆全集の中から、「老い」にまつわる文をお孫さんがまとめたもの。ご自身の老いに対してジタバタしたところは全く感じられず、一歩引いて俯瞰しているように語っていて、清々しささえ感じる。 子どもの頃、親の実家のおばあちゃんの話が良い味出してたことを思い出した。
2023/04/30
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