「はかなさ」と日本人: 「無常」の日本精神史 (平凡社新書 364)
「はかなさ」と日本人: 「無常」の日本精神史 (平凡社新書 364) / 感想・レビュー
れどれ
著者による主張は、下の世代の感覚を貶めるところがあり共感できないけども、日本人ならではの伝統的感性を尊び、またその図式を明らかにしようとする試みにはそそられる。といっても、先に図式を用意して、その鋳型に嵌め込むようにあちこちの書物を援用しているわけなので、解析の足取りがよく追えなかった。援用されている書物の方の一文一文には十二分に感興させてもらった。
2019/11/23
ゆきの
私の心に巣食う切なさの正体を知りたくて。 日本の古典で度々主題になる無常観。無常の世をどう捉えるかで3つに分類。①夢の外へ②夢の中へ③夢と現のあわいへ 昔から人間は、必ず終わりのある生に不安があって、浄土信仰したり世を儚んだりしたんだとわかった。 最終章で説明される「命のあまりの小ささとあっけなく終わる安心感」ゆえに日常が輝く、考え方を忘れずにいたい。
2019/01/21
RIENZI
『人』に『夢』と書いて『儚い』。時に人の心をからめ取る概念。時間がなくて斜め読み。いずれ読み直したい。夢の外へ〜覚醒、夢の内へ〜陶酔、夢と現のあわいへ〜混濁、と勝手に理解。読み違えているかもしれないが。
2012/07/28
どくばり・あり
某所にて「桜本」を蒐めむとて、引き出しし一冊。 「夢」「うつつ」をキーワードとして、日本人の抱いてきた無常の心が「万葉集」から「井上陽水」にいたり網羅されている。その系譜は、想像以上に骨太で圧倒された。なんといっても「いろは歌」自体が、「色即是空、空即是色」を詠み込んだものなのだから。とくに中世の庶民が歌った『閑吟集』は胸を打つ。 「よのなかはちろりに過ぐる ちろりちろり(略)くすむ人には見られぬ 夢の夢の夢の世を 現がほして なにせうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」 こりや、まつたき椎名林檎ぢや。
2012/02/16
i-miya
秦恒平さん(作家) 『みごもりの湖』 1946.00.00 長野生まれ 東京大学文学部卒 黒川創(作家) 人類は滅びる、我々が生きている間に、と小学生の6割が信じている 1世紀前ニーチェ、問う 主題的に問われ始めた問い 「無から生じたものが元の場所に戻っただけ」(『1973年のピンボール』 村上春樹) 1. 現代日本の無常感 唐木順三 「無常なるものの無常性を徹底させる」 ○ 無常の系譜を辿る 2. 「はかなさ」とは ○ 「心ほろぼす」ビジネス社会 「はか」がない 「はか」・・・はかどる はかがいく
2007/07/04
感想・レビューをもっと見る