新書768経済学からなにを学ぶか (平凡社新書 768)
新書768経済学からなにを学ぶか (平凡社新書 768) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
ケネーの重農主義とは、農業の利害が、通商の自由化案をめぐり、現代日本では逆の立場にあることに注意(51頁)を促している。バックルー公爵の家庭教師として2年半パリに滞在、ヒュームの友人として、啓蒙思想家、チュルゴーの重農主義者の歓迎をうけ、経済学に関心を示したアダム・スミス(61頁)。リカードの自由貿易論は、TPP交渉の日本に最大多数の最大幸福への方途として直接適用できない(93頁)。それはそうだが、自由の意味を問い返す態度は必要と思う。
2015/10/06
浅香山三郎
伊藤誠さんの本は何冊か読んだけれども、本書もまた難しい。新書であるにも関わらず、経済学部の3回生以上に読ませるやうな感じである。また、古典派経済学の説明までは、学説そのものに紹介の中心が置かれてゐるが、後半のマルクス経済学では、諸々の論争過程と有用性についての叙述が多い。確かに、『資本論』を要約するやうなことは困難なのだらうが、スタイルが途中で変はり、やや戸惑ひながら読む感覚であつた。岩波新書で森嶋通夫さんの本に似たやうなものがあつたのを思い出した。労働価値説の評価が本書と違つてゐた記憶がある。要再読。
2016/10/06
leppe
経済学の歴史をとらえるのに丁度良かった。宇沢氏のものよりも分かりやすかった気がします。それでも、新書の割には難しかったです。ていうか、「古典派経済学」という名称はマルクスが発明したってマジっすか?なんかもう全力でスルーしてた自分にびっくりだよ。
2017/02/22
yo yoshimata
時々、経済学史の本を読むのですが、学ぶところの多かった一冊です。筆者は著名なマルクス経済学者ですが、その泰斗が次のように言うのはかみしめたいものです。「(マルクスの)思索は、ソ連崩壊により、むしろ教条的な狭い硬直した解釈から解放されて、いまやその豊かな可能性をふたたび自由に活かせる時代になっている」。
2015/10/06
marukuso
内容が新書の割に難しすぎた。基礎知識がある程度ないとさっぱりわからん。
2015/06/10
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