サンデーサイレンスの奇跡
サンデーサイレンスの奇跡 / 感想・レビュー
鬼山とんぼ
7頭の競走馬と4人の騎手についての短編ルポ。小説家が書いただけあって取材、分析がしっかりしているため、通常の競馬記者が書いた文より深みがあると感じる。経済動物である馬の場合、人為的な多頭数種付けがなされるため著しい遺伝子の偏りが生じるが、どういう天の配剤か、過剰なシェアを持ったサンデーサイレンスが短命で終わったとか、実は優秀な遺伝子なのに小柄で人気が付きにくかったリアルシャダイとか、着眼点および視野の広い纏め方がよろしい。ベテラン競馬ファンなら皆絶賛するだろう一冊となっている。
2024/02/05
kiji
味のある競馬エッセイでした。取り上げられている騎手はあまりメディアに載らない方ばかりで隠れたエピソードを知ることができました。サイレンススズカの章はまるで小説のようです。私にとっても忘れがたい馬です
2010/10/20
らぴ
なにげなく買った本でしたが、文章の美しさと感動的な内容に買ってよかった! と思えました。
2008/09/08
百木
本のタイトルで銘打ちながらも、サンデーサイレンスについては最初の章のみ。他数頭の種牡馬、競走馬、数人の騎手にスポットを当てた各章で構成されています。本書で取り上げられた騎手がどちらかというとあまりリーディング等で目立つタイプではない、言ってしまえば比較的マイナーな騎手というのが良かったです。こういうエピソードを読めるのは中々貴重なのでは。あとは章構成、リアルシャダイ→ノーザンテーストの流れがいい仕事していると思います。
2014/06/28
Tomomi Yazaki
A級 作者よりも題名にひかれて購買したが、期待した以上の超秀作である。騎手の心を語るのも類を見ない表現力を垣間見させてもらえるが、筆者は意識していないかも知れないけれど、馬の意識や考えが読者にひしひしと伝り、更に、ターフの喧騒と無音が同時に存在を見事に表現している。サンデーサイレンスの奇跡。写実的で、それでいてあまりに素晴らしい表現で、目が止まってしまい、読書が進まないという嬉しい弊害がある。誰の真似でもない、また誰も真似できない、言葉の表現が、陳腐な表現ではあるが、柴田哲孝の素晴らしさである。
2014/08/07
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