賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。
賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。 / 感想・レビュー
まつこ
本屋で見かけ立ち読みしてこの本は今読まなきゃいけないなと思って購入。何か現代に感じるモヤモヤが村上さんの言葉により解消された。一応、若者である私としては痛いところも突かれているけれど。「しょうがない」で物事を諦めてしまっていたり…。タイトル通りにしたいと思うけど、まだ「幸福な」モノを追求してしまう自分がいる。もっと村上さんの本を読んで打ちのめされたい。
2013/11/18
akira
図書館本。 たまたま見つけたエッセイ。カンブリア宮殿はたまに見るけど小説以外のエッセイは初めて。少し気怠い気のある語りは、ほかで見るよりも自然だと感じた。 共存共栄は理想。ではあるが世界と不可分である以上、かならず対立構造に関わる人間は必要。交渉術や譲歩術は、はやい時期から学んでおくほうがいいとは思う。 「本当は幼児期から、対立というのは当然のこととして存在すると教え、その解決のためには何が必要かを教えなければならない」
2020/01/19
どんぐり
村上龍が『Men’s JORKER』に連載した「すべての男は消耗品である。欲望退化篇」の単行本化。読者が若者向けの雑誌なので、どうかとは思ったが、「今、元気なのはバカだけだ」「現代の若者は幸福なのか」「いつまで経っても、優秀な学生のほとんどが起業などには見向きもせず、大企業の正社員を目指して、消耗戦のような就活を続けるだろう」「不安定な雇用と上がらない給与、長い経済の停滞が続くうちに、若者に『あきらめ』が生まれた」「私たちに必要なのは幸福の追求ではなく、信頼の構築だ」など現代社会を鋭く捉えて刺激的である。
2014/03/26
村越操
どこまでも、客観的で、冷静な現代日本への眼差しが心地いい。「わたしたちは、誰もが笑い合わなければいけないという無言の強制が働いている時代と社会に生きている」「『あべる』と女子高生になじられた人物が再び首相に就任するというのは、国民から規範を奪う。政治の世界というのは『何でもあり』なのだと、わたしたちは刷り込まれ、徒労感に襲われる」「借金があって住居を追われ、家族や友人など助け合う関係が失われると、人はあっという間にホームレスに転落する」「今、わたしたちに必要なのは、幸福の追求ではなく、信頼の構築だと思う」
2013/12/23
123
2回りくらいの世代差があるが、本エッセイで語られる作者の考え方に共感できることは多い。例えば、フェラーリを所有しつつ、解雇宣告をする社長に違和感を持つところ等。文中にあるようにフェラーリを売却したとしても、会社が抱える負債に対して、大した金額にはならないかもしれないが、けじめ、誠意というものがあるだろうと自分も思う。また、最後の特別エッセイにあるように、嫌なこと、面倒なことに目を背けたくなるという『思考放棄』。自分も陥り勝ちな思考パターンであり、気をつけてたい。最後に自分も定宿というものを持ってみたい。
2013/11/17
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