追悼葉室麟 洛中洛外をゆく
追悼葉室麟 洛中洛外をゆく / 感想・レビュー
シナモン
尾形乾山、海北友松、小堀遠州…この本を片手に彼らの足跡を辿りながら京都の街を歩きたい気持ちでいっぱいになった。「苦悩の果てに、何者かになるのではなく、むしろ、ごく普通の人の生き方をするなかで、何者かになっていく。人の一生というのは、真面目にコツコツやっていたら、何がしか、自分自身で納得のいく結果を出していけるんだと、友松は教えてくれると思うし、僕自身勇気づけられますね」…私も勇気づけられた。
2022/03/28
starbro
人気作家、葉室麟は、没後も色んな作品が出版されます。 著者の作品を題材にした京都案内、いつか本書を片手に京都洛中洛外を散策したいなあ!「死もまた、良し!」本書で紹介されている著者の処女作『乾山晩愁』は、未読なので機会をみつけて読みます。 http://www.kk-bestsellers.com/cgi-bin/detail.cgi?isbn=978-4-584-13868-7
2018/07/15
アキ
葉室麟が亡くなる年に自身の小説の舞台になった京都の名所を40ヶ所紹介している。50歳を過ぎてデビュー作「乾山晩愁」では琳派ゆかりの仁和寺、養源院、光悦寺を、海北友松を書いた「墨龍賦」では建仁寺、東福寺、妙心寺・退蔵院を、小堀遠州を軸に茶道の世界を記した「孤篷のひと」で大徳寺・孤篷庵、二条城・二の丸庭園、妙喜庵「侍庵」、南禅寺・金地院「方丈前庭」。どの小説も未読なので、この本をガイドに京都のゆかりの寺で読んでみたい。できれば、その近くの古民家カフェを見つけられれば、なお良し。
2022/11/23
Kei
購読者層に合わせての、余白や字の大きさ、写真やわかりやすい案内に、ほっこり。九州のイメージだったので、京都で亡くなられた時には驚きました。が、作品に生かすべく、精力的に廻られていたよう。柔らかいが筋の通った歴史文化観が、心地よいです。
2018/08/13
Y.yamabuki
巻頭に、緒方光琳·乾山「乾山晩愁」、海北友松「黒龍賦」、小堀遠州「孤篷のひと」三作品の縁の場所や作品の見応えのある写真が多数。本章は著者インタビューと作品引用などで構成。章末には、寺や美術館の案内も有って、至れり尽くせり。インタビューの中に、山本兼一さんの無念を察っしての記述があるが、ご本人もさぞかしだったと思う。そして澤田瞳子さんの巻末エッセイで、葉室さんも“若冲”を書こうとしていたのを知る。澤田さんの若冲は、かなり創作的だったけれど、葉室そんが書いていたらどんな若冲だったのだろうか。
2020/12/28
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