境界を生きる1 (立松和平全小説 10巻)
境界を生きる1 (立松和平全小説 10巻) / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
家族→共同体→国家という流れの逆転で、共同体の崩壊→家族の崩壊へと進んでいったのだろうか。同時進行でもある。社会がぐらついていくのは人間の気持ちが動揺しているからであろう。3.11前の著作物だが、自然もぐらついて人生設計が狂ってしまった。作風は、昭和→バブル→平成の社会の変容を日常生活に焦点を絞ってヴィヴィッドに描写されている。田畑を潰し、スーパーや寿司屋にスナック(4ページ下段)。「遠雷」にはトマトが結構出てくる。たまにエロい描写。農と性という展開に、農村性生活の男女の実態が垣間見える。生命・生産の場。
2013/02/17
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