澁澤龍彥の時空/エロティシズムと旅 (澁澤龍彦論コレクション 2)
澁澤龍彥の時空/エロティシズムと旅 (澁澤龍彦論コレクション 2) / 感想・レビュー
ぐうぐう
『澁澤龍彦の時空』と「エロティシズムと旅」と題された三本のエッセイで構成された『澁澤龍彦論コレクション』第2巻。二十歳の時に澁澤龍彦と出会った巖谷國士の強みが、澁澤の家を巡る考察からすでに発揮されている。有名な北鎌倉の澁澤邸以前の、東勝寺橋のたもとにあった澁澤家を訪れたこともある巖谷の経験は、そのまま澁澤への理解となっているのが頼もしい。『うつろ舟』収録の「ダイダロス」に登場する一隻の船、あるいは『高丘親王航海記』の唐船が、澁澤幼年期に見た遊覧船の思い出と繋がっているといった発想や、(つづく)
2023/04/17
保山ひャン
澁澤龍彦全集の解題や、澁澤龍彦関連本の解説的エッセーなどを集めた本。澁澤龍彦が好きで読書していたらいつのまにか巌谷さんの文章も読んでいた、という感じだが、この本一冊自体のもつオーラが半端なくて、当然のことながら、単なる寄せ集めをはるかに超えている。とくに面白かったのが増補エッセーの「エロティシズムをめぐって」で、澁澤龍彦はフーゾクにほぼ関心がなく、その種のエロをむしろ嫌っていたこと。なるほど!
2018/02/12
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