スピノザと表現の問題 (叢書・ウニベルシタス 321)
スピノザと表現の問題 (叢書・ウニベルシタス 321) / 感想・レビュー
またの名
実体という自然全体が延長や思惟などの諸属性において自らを表現し、諸属性も属性から成り立つ個々さまざまの諸様態の中で自らを表現し、個々の様態は他の事物に触発されることで属性が変様する仕方を表現する、と高密度の議論でフルアクセル発進。表現される本質を理解するための方法は最初から高度で一般的ではなく、自分の身体とぶつかってくる身体とが構築する関係を、そこから生まれる喜びと悲しみに誘われて共通概念の下に捉えることから始まるとする。神秘的啓示も命令もなく、ヒエラルキーを排した全てが等しい一義性だけがある表現の宇宙。
2018/01/29
有沢翔治@文芸同人誌配布中
僕なりにこの本のねらいを解説してみます。(一)スピノザをライプニッツ、デカルトに至る理性(神や善悪)をめぐる哲学史の中に組み込もうという試み。ここで挙げられているスピノザの著作は『知性改善論』で『エチカ』も少し出てきます。(二)そしてその上で理性(神や善悪)を解体しようという試みです。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51128771.html
2010/10/23
tottoro
ドゥルーズのスピノザ論。表現(または力)という概念を中心にした論。 肯定の哲学としてのスピノザを提示しており、ドゥルーズ自身の哲学におけるスピノザの影響を見ることも出来る。 実に喜びに満ちたスピノザが打ち出されているのではなかろうか。
2011/04/21
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