巡礼の文化史 (叢書・ウニベルシタス 797)
巡礼の文化史 (叢書・ウニベルシタス 797) / 感想・レビュー
ゲニウスロキ皇子
聖なる土地は古来より人を惹きつけてやまなかった。本書は主に中世ヨーロッパを主題に、聖地をめぐる人びとの様態を記述したものだ。当時の聖地を目指す人びとの旅は、まさに命がけであった。道に迷えば野犬に食い殺され、宿に泊まれば主人から金品目当てにあらぬ罪状をかけられ処刑させられる、渡し船は水底に沈む。だが聖なる土地を目指す人びとの群れは絶えることがない。信仰や旅とは何かを考えたいのならば手に取っても損のない本である。
2011/07/04
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