社会の社会 1 (叢書・ウニベルシタス 921)
社会の社会 1 (叢書・ウニベルシタス 921) / 感想・レビュー
roughfractus02
社会はコミュニケーションを行うオートポイエティック・システムである。この定義が読者を戸惑わせるのは、システムが入力も出力もない自己再生産システムであり、かつ開放系とされるからだ。言語で区別された諸社会はないと断ずる著者は、他との関係で成り立つ言語的コミュニケーションと区別し、コミュニケーションが自己再生産的であり、その境界が把捉不能で統一的なオートポイエーシス的社会システムを構想する。本巻後半では、社会システムと区別された言語を、個人の意識と社会を構造的にカップリングし独自の時間を分出する機能と捉え直す。
2024/07/20
ぷほは
読んでいると吐きそうになるか死にたくなるかの二択を迫るルーマン著作の中でも集大成的位置づけであり、前半部とはいえそれまでの彼の議論をある程度押さえておけば流れは理解できる。ポイントは晩期においてはメディア/形式という区別が最も基底的な概念として登場し、そこから意味や象徴的に一般化されたコミュニケーションメディアの議論が展開されている点だろう。特に377頁の図表は帰属をめぐって他我の体験/行為が各メディアによって非対称化されており、他の箇所と異なりまだしもふ~んくらいの感想は出る。進化論についてはお手上げ。
2017/11/03
みなと
第一章で意味、オートポイエーシス、ファストオーダー/セカンドオーダーの観察、区別の再参入、構造的カップリング、作動的に閉じたシステム等社会システム理論の枠組みが色々出てくるけど、全部ジャック・デリダの差延がベースになっている、もしくは差延から出てくる結論のように感じた。複雑系科学よりは差延について理解していないと(wikipediaで差延のページを見るだけでいいから)、難しいと思う。
mnry
ルーマンは文章を書くのがとてつもなく下手ということが分かる。
2013/03/29
ゆうき
ルーマン社会学のまとめた本。頂点が消えた社会でコミュニケーションが台頭してくる。
2012/07/07
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