社会の社会 2 (叢書・ウニベルシタス 922)
社会の社会 2 (叢書・ウニベルシタス 922) / 感想・レビュー
ぷほは
最終的には社会は社会自身をどのように観察し記述できるかという論点にいたり、タイトルの意味を回収する。機能分化の論点では顔をほぼ出さなかったマスメディアがやおらここに来て登場し、自己観察という論点から暴力的に呼び出されている。事象的には量の増減、時間的にはジャストインタイムを、社会的にはコンフリクトを選択する情報知としてマスメディアがプロテストとのカップリングで生み出した典型がエコロジーだというのは上手い整理だと思ったが、これが「全体社会」を表象・記述する上で過去のものとどのように異なるのかはよく分からん。
2017/11/03
ゆうき
機能分化し中心も頂点も消失したのが近代社会そのもだ。複雑化し流動化して明確な輪郭を失った社会は社会秩序ではなくコミュニケーションの作動が社会を他の諸作動と円環的に接続される。その結果、あらゆる出来事は他の様々な出来事と関係の中で「構造的に決定された」ものとして現れてくる。つまり事実の本性ではなくコミュニケーションを起点にして社会が稼働される。ルーマン社会学の集大成であり完結編。
2012/07/14
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