眩暈
眩暈 / 感想・レビュー
chanvesa
二度目の挑戦。もううんざり。エゴ、図々しさ、ずるさ。これでもかと出てくる。人間の悪の面を拡大鏡で見せつけ、登場人物たちを踊らせ、最後は業火に投げ込む。終わりの方に、ワーグナーの「ジークフリート」の話がちらっと出てくるが、最後は「神々の黄昏」の自己犠牲のようだが、救いもなんにもない。気分が悪くなるような本。反知性というか希望を否定しているような。
2014/12/21
yuto
読書狂いの中国学者キーン。ある時、家政婦に書物を貸す。家政婦の書物にたいする丁寧な扱いに感激して結婚。この小説にまともな人間は登場しない。だからこそ、次に何が起こるのかわからない。迫り来る某大な言葉。それに立ち向かえることに喜びを感じながらページをめくった。
2015/05/29
懐古民K.S
30年代を舞台に時代を群集を縦横無尽に描いた傑作。それぞれの時代を描き出した夢遊の人々と同じく鋭い。主人公キーンの理性は狂気と紙一重のもの。最後はキーンの理性が狂気に変身する。だからこの小説はやはり風刺(パロディ)的なカネッティの変身と群集と生を扱った哲学的小説なのだろう。
2020/01/07
ゆたち
今まで読んだ本の中でカラマーゾフの次くらいに重い本でした。全く話が噛み合わない登場人物たち、てレーゼか生きていることを決して認めようとしないキーン。狂気に満ちてます。
2016/06/08
タカ
まさに眩暈を感じる。序盤は普通に面白い。むしろ喜劇として楽しめる。中盤から読むのに骨が折れる。
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