テプフェール: マンガの発明
テプフェール: マンガの発明 / 感想・レビュー
放蕩長男
今から200年ほど前のスイスに生き、西洋において初めて"漫画"を発明した、ロドルフ・テプフェールについて語った本です。 彼は、単に鉛筆画に台詞を付けただけではありません。例えば、人物の表情。人の目、鼻、口、耳。それぞれのパーツが、人によってどのように違うのか、気持ちによってどのように変化するのか、観察と研究した上で、描き分けています。いわゆる、漫画らしい絵の書き方を開発したのです。一からここまで理論を作ったのか、と思うと、感嘆せざるをえません。まさに開拓者。感動しました。
2016/09/17
えんじ
読み終えていないけど備忘録的に。『闇の国々』の作者が来日した折りに、漫画の歴史研究家としても知られており、漫画の起源はヨーロッパにあるというのがいまでは通説になっているといった話があったと記憶しています。その研究の成果がこの本。図版もたくさん入っています。翻訳家の一人は原正人さん。
2022/04/14
ニッポニテス的遍歴
☆=3/5 文章への付属品でない、自立した「漫画」を始めて描いた人テプフェールの概説。 19世紀前半にコマで分割された絵物語というジャンルを確立した芸術家であるだけでなく、線描漫画が表現技法としての明快さ故に大衆芸術として優れている事を既に(ジャンル創生の時点で)見抜いていた理論家でもあった。 写実的な絵の上手さと漫画の上手さは違うという指摘や、漫画の重要な構成要素としてキャラクターを挙げる視点は現代の漫画批評を先取りしていて驚き。
2020/10/31
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