人類最期の日々[普及版](下)
人類最期の日々[普及版](下) / 感想・レビュー
twinsun
祖国の為でなく祖国のゆえに新聞のインクの染みになり果てる命が老醜の勲章を輝かせ、理念・国境変更・民族独立・復讐を旗頭に、弾薬・盗品・投機・慰安所が市場や中立国を潤し、病院・学校・納屋が焼かれ、目つぶしの密造酒・同胞の屍肉が喰らわれ、数合わせや口減らし・気晴らし・試し射ちに婦女子・農夫が凌辱・強殺される。“神の写し絵、人間は破滅した!アニ吾ガ志ナランヤ。”で終わるカール・クラウスの描き出す第一次世界大戦下の人間ドラマは変わらぬ人類の業への最終判決でなく一縷の希望を託した告発と受け止めたい。
2022/04/10
hikarunoir
あらゆる角度から第一次大戦に見た世界の破滅を見つめた大著。戯曲めくのは少しでも笑い飛ばせるようにとの配慮だろう。同じ曲線を辿りつつある俺たちはどう見える?
2018/10/12
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